RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ファンタスマ-ケイト・ロードの標本室@東京大学総合研究博物館小石川分館 2010年12月4日(土)

茗荷谷】駅を降りたら【春日通り】を渡る。
左手に見える交番の角を右折したら
左手に【筑波大】
右手に【大谷美術館】を見ながら、
やや急な坂を下る。

と、正面に、【小石川植物園】のどん詰まりに
併設されている目的の建物が見えてくる。
植物園の入場口はまるっきり反対側で
且つ有料だが、本館の入場は
何と無料なのだ。

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入り口プレートを拡大。
奥にポスターも見える。

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門に張られたポスター。

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建物脇にもすっきりとしたアクリル看板。

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そして建物の全景。お洒落だなぁ。

中は
小石川分館常設展示
驚異の部屋 -The Chambers of Curiosities

そして、お目当ての
インターメディアテク・プレイベント
ファンタスマ――ケイト・ロードの標本室

夫々一階と二階に展示されているのだが、
この両者、補完関係というか、相互に影響しあっている。

一階は、剥製やホルマリン漬けの標本、
骨格標本が整然と並ぶ。
しかも、名前等のプレートが一切付けられておらず、
かなり不親切。
が、目前のものを純粋にモノとして見る時に、
却ってその名称が邪魔になることは確かにある。
ここでは、我々は、置いてある物体に対して真正に
向き合うことになる。

また、一階には建物の模型等も展示されている。


二階が主に後者の展示となる。
下地にあるのは一階と同様の博物や機器。
それと混ざり合うようにして『ケイト・ロード』の作品が置かれている。
片や時代を経ているモノ、
片や極彩色の妖しげなオブジェで、
どう見たって、同一とは思えない。
キッチュであり、フェイクだ。

オブジェ自体は、
珊瑚を思わせるもの、
骨を思わせるもの、
剥製や骨格を思わせるもの、
人体のパーツを思わせるものと多様だが、
その色彩は勿論”有り得ない”。

しかし、その様なモノが、
しらっと標本と一緒の中に紛れ込み
並べられている。

ガラス器の中に収められた妖しい作り物の動物は、
どう見ても複数をキメラにした人魚。
鮮やかな背景に(それこそ映画〔リトルマーメイド〕の様に)、
浮かんでいる。
その醜悪な肢体は
この世のものであってはいけない。

ただ、当該空間に馴染むと、
次第に違和感が無くなる。
寧ろ、其処に在るのが当たり前の様に思えるパラドクス。
自らの中の黒い忍び笑いが込み上げて来るのだ。


館内はかなりの混雑で
家族連れ、カップル、女性だけの集団が多い。
なんで?と、一瞬考えたが、
これは当館の立地に鍵がありそう。

植物園の散策後に、ここに辿り着くのだろう。
不意を突くように展開されたオブジェの在り様は、
彼ら、彼女らの目に、
どんな風に映ったのだろう。