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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

君に届け@TOHOシネマズ 川崎 2010年10月14日(木)

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原作は12巻まで発行されている、大ヒット少女漫画。
直近の数巻は若干パワーが落ちているが、
嘗て無かった主人公の造形、以外とベタではあるものの、
一捻りがあることで、逆に新鮮味を感じさせるストーリー展開と、
一線を画した作品である
(最新巻を買ったら、特製のカバーを付けてくれたので、
折角だからそのままにしてある)。

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席数112の【SCREEN8】は八割がたの入り。
客層は、原作の故か主演男優の為か、
若年女性の集団が多い。

こういった原作が素晴しい作品は、どの程度をそれに拠り、
どの程度をオリジナルにするかの塩梅が難しい。
くっつき過ぎても、離れ過ぎても違和感を感じる。
同じ学園モノでも〔天然コケッコー〕は、成功の部類なのだが。


多部未華子』が『貞子』、あ、間違えた『爽子』を正しく体現している。
その喋り方、眼つき、仕草、何れもコミックの世界からまんま抜け出してきたのでは、
と、かなりはまっている。
それ以外の登場人物も『 ARATA 』の『ピン』を除いて(だって髪が立って無いし・・・・)
相当の似方である。

落としどころは予め想定できる訳で、
原作からは印象的なエピソードを、
そして新たに創作したものを幾つか加えて、
特に後半は独自の味わいを持った作品に昇華している。

元々、泣かせるシーン・台詞が多いのだが、
それが実物となって目の前に現われることで、
更にその感が強くなる。
要するに、数多の「泣ける」映画より、
数倍ココロが震えてしまうのだ。

しかも、随所ではしっかり笑いを取り、
多部未華子』の役者としての面目躍如たるところ。

原作の旨味を活かしながら、映画ならではの地平をしっかり創造した。
漫画を原作とした映画の中では、相当の佳作となった。


しかし、あの『富田靖子』が母親役とは、
時代を感じるなぁ。