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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ART AWARD NEXT - アートアワード・ネクスト#1 -@東京美術倶楽部 2010年9月20日(日)

時間を見つけて、彼方此方の催しものに顔を出していれば、
自ずと観たことのある作家も多くなる。
ただ、その場合は、画風の変化とか成長を見るのも
また楽しい。

今回の様な、(実は)大掛かりな展示会では、
地方を中心に活動している作家や、今まで
一度も(公募展に)応募していない作家の作品も展示され、
新たな気付きがままあることも嬉しい。


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9/17~23の短い会期ながら、出展数は五十。
しかも無料と来れば、何を置いても駆けつけたいわけだが、
場内は以外なほど閑散としている。

主旨等はWebページを参照してもらうとして、
気になった作品を幾つか挙げておく。


個人的なベストは『磯部光太郎』の〔ため池 Biotop〕。
湖面が漆黒の池と、そこに集まる蛙や虫たち。
若冲』の〔動植綵絵〕を思わせるが、構図的な広がりがある。
限りなくモノトーンに近い配色ながら、蜻蛉や天道虫の赤が
光って見える。
また、湖線から僅かに顔を覗かせている蛙の、
水中と水上の色の描き分けが頗る見事。
かなりの時間を見飽きない。


『松岡歩』の〔浮遊〕に描かれているのは「マンボウ」。
しかし、海の中をゆったりと泳いでいるのではなく、
満月の架かる空を、ゆったりと群れを成し、たゆとうといる。
そこには何の不自然さも無く、
恰もそれが正しいコトの様に思えてしまう。
*文中の”ユウ”は”しんにょう”ではなく”さんずい”が正しいです。

『鵜飼 義丈』の〔頬白〕は巨大な「ホオジロザメ」の半身を
大写しにしたもの。
鮫肌の偏執狂的な詳細描写に、思わず脱帽。

『吉田洋紀』の〔揚輪式視力検査表-甘い視線-〕は「視力検査表」の
「C」マークが何箇所か齧ったドーナツに置き換わっている。
フレーバーも様々なドーナツは見ているだけでも旨そうだが、
その質感の描写が素晴しい。
加えて、各所に描きこまれた遊び心。
う~ん、笑わしてもらいました。


タイトルの通り、今年が「#1」なら、
来年も同時期に「#2」が開催されるのだろう。
今から楽しみだな。