RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

キラー・ヴァージンロード@TOHOシネマズ 川崎 2009年9月12日(土)

今更だが、この日は
”オープン6周年 9月12日(土)は1000円!! 記念キャンペーン実施!!”
なので、公開初日でも千円で鑑賞可能。
Webで予約をすれば、席も指定できるし、余裕を持って出かけられる。

イメージ 1
【SCREEN3】はキャパ160席だが、上記二つの理由もあり、ほぼ満席。
おまけに、土曜の昼下がりだしな。


本作品は『岸谷五朗』の初監督作で、脚本も兼ねている。
事前の想定としては、(素人からの新人監督に)非常にありがちな、
過去作品のコラージューが多用されることで(『蓮實重彦』言うところの
「映画的記憶」®としても機能していない)、散漫な内容に堕しているのでは・・・・。
で、本編を観た感想は、全くその通り。


結婚を明日に控えた『沼尻ひろ子(上野 樹里)』は、ひょんなことから
死体を抱えた逃避行をする羽目になる。
そこへ、死にたいのに死ねない女『小林福子(木村佳乃)』が絡んで、
事態は益々収拾がつかない方向へ転がって行く。
『ひろ子』は上手く死体を処分して、明日の結婚式を挙行できるのか?

同様なテーマは〔ハリーの災難〕があるけど、こちらは閉ざされた空間で、
はらはらドキドキさせる佳作だった。


『上野 樹里』を主役に据えた映画は、彼女のキャラが悪い意味で立ち過ぎて
上手く行かない例が多い。ex)〔亀は以外と速く泳ぐ〕〔笑う大天使
一方〔スウィングガールズ〕のような使われ方だと非常に良い。
本作は前者。要は、頼りすぎ。

そして、先に挙げたように、引用の多さに加え、唐突なミュージカル仕立て。
学校の階段〕を思い出してしまった(これも何をしたかったのか、
さっぱりわからない映画。『黒川芽以』のPVかと思った)。
確かに、端的な背景の説明には良い手段だが、他に手法もあっただろう。

巻き込まれ型のスラップスティックの定法である、ドタバタと繰り返しのギャグは
キチンと押さえられているが、新趣向があるわけではない。

ロードの途中には多彩な脇役を配し、エピソードもテンコ盛りだが、
必然性に乏しく、ご都合主義で散漫な印象を受ける。

最後には大団円よろしく、全ての登場人物は(色々なカタチで)救済されるのだが、
無理やり、取ってつけたようで、〔スター・ウォーズ エピソード3〕を彷彿とさせる。
でも、これだけ短時間に纏めてしまう、力技は、一種見事。

とは言うものの、けしてダメダメな失敗作では無い。妙に心魅かれる作品なのだ。
思うに『岸谷五朗』は監督に専念し、脚本は『川崎いづみ』に完全に委譲した方が
良かったのでは?

救いは、既視感はあるものの、妙な明るさと、
次を感じさせるラストシーン。
これができるのなら、『岸谷』監督の将来も期待できそう。