『道玄』があった場所に一年半前にオープン。
このビルの二階に行く手段はエレベータのみ。
なので、降りる時には先に待ってた人が後になっちゃうよね。
ところが標題店の待ち客は良い人ばかり。
早く並んでたんだからお先にどーぞと
順番を譲ってくれる。
帰る時にも極狭のエレベータホールは
待ち人でぎゅうぎゅう。
昇降ボタンに手が届かないでいると
近場に立ってる人がちゃんと押してくれる。
昨日の誰かさんとは雲泥の差。
12:05の着で先客は五。その後
食べ終わって出るまでの来客は九。
券売機はエレベータの出口右手。
食したのは
特製つけ麺。
値段は1,200円。
自分が着いて直ぐに先頭の三人が中に入る。
おや意外と回転はいいのかな、と思っていると
これがその後は全く動かない。
中途、店員さんが出てきて食券を徴収。
三々五々、食べ終わった人が帰っても
中に呼び込まれる気配はさらさらなし。
結局着席できたのは三十分後。
店内は厨房を囲むL字型六席のカウンター。
どうやらロットで対応しているようで
食の進み具合を勘案しながら、全席が空くのを待っていたみたい。
なのでこの回は六人分がほぼ同時に供された。
こりゃ~時間が掛かるわ。
更に十三分待って、麺とつけ汁が四角い折敷にセットされ
カウンター上に置かれる。
麺は中、ストレート。
仕上げにスプレーされたトリュフオイルの香りが馥郁と。
茶味掛かりエッヂが立ち、口当たりはシャープ。
つるっと啜れ、もっちりした噛み心地。
喉越しもひんやり気持ち良い。
が、麺上げから供されるまでに時間が掛かり過ぎで
最初に摘まみ上げた時に複数の麺が乾燥してぺったり張り付いてしまっていた。
食べ方の指南書に書かれている、
「最高の状態で提供」なる文言も空疎に見えてしまう。
量は200gない感じ。
ライムの櫛切りが添えられているので、
最後の方では振り搾り、酸味が加わった味も楽しむ。
つけ汁は、鶏+蜆。表面にはたっぷり鶏油。
小口の葱が散らされ、量は多くないものの、旨味が強いので
ちょと漬しただけで十分に味が乗り移る。
勿論、麺のしっかりした麦の味も
それに加勢をしてるんだが。
1/3ほどを残して割スープをリクエスト。
鰹と昆布の出汁が足され、熱々の香りが立ち美味しい。
トッピングも手が込んでいる。
チャーシューは、牛・豚・鴨のロース肉が各一枚。
小さなトランプ大で何れも低温調理。
味と食感の違いを楽しめる。
特徴的なのは蜆のムースと上にちょこんと乗せられた刻みトリュフ。
この二つの味がまったり濃厚。
麺に付けてそのまま食べてもイケるし、
つけ汁に漬せば次第に味変。
それにしても強い旨味が幾つも重なっているのに、
一つに纏める構成の妙は大したもの。
評価は、☆5点満点で4.5(☆☆☆☆★)。
値段は高い乍らも、味はいいんだけどねぇ。
効率追求や繁盛感醸成にはうってつけの手段かもしれんが、
オペレーションの姿勢・体制がどうにも賛同し兼ねる。