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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

存在の神秘 磯江毅 遺作展@東京美術倶楽部 2009年3月15日(日)

東京美術倶楽部】は浜松町(大門)/御成門/新橋の中度中間。

”東美アートフェア 春”と題された一般向け展示即売会の
特別企画として開催されている。

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展示即売会もそれなりに楽しいが、今回の主目的は『磯江毅』。
入場料は1,000円。

{スーパーリアリズム}という芸術の分野がある。
本物そっくり、まるで写真みたいな彫像や絵画だが、
『磯江毅』の作品も兎に角リアル。

静物画等は、当然モノを色々と並べているのだが、
その異なった質感の表現が素晴しい。

棚に瓶類が並んでいる画では、背景の壁の汚れ、棚に積もった塵の具合も、
克明に表現されている。

でも、ただリアルなだけではない。
そのモノが持つ量感さえもが感じ取れるリアルさである。

鏡に浮いた錆び、銀器に付いた緑青、セロテープに入った気泡、縄の解れ、
新聞の折れ目、といった日常目にする汚れをわざと取り込んで描かれた作品は、
止まっている一瞬を捉えているのに、時間の流れさえ感じさせる。

展示されている数十点の作品群は、何れも素晴しいの一言。
全作品でも百点程度しかないそうだから、
是非、大回顧展を開催してもらいたい。