RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ビストロあとりえ@大井町:フレンチ

いや~、狭い狭いとは聞いていたけど
これ程とは思わなかった。

かなり無理をして六人を詰め込むので
隣の人とも肩がぶつかり合う。

背中の後ろは荷物入れの棚になっており
隙間がほぼ無いので
奥の人が外に行くためには、
立ち上がって避けるか
外に退避する必要がある。

オープンから十年近くが経っているので
これがベストの在り方との店主の判断だろう。


facebookには
初めてな方は基本、HPを見てメールにて事前予約が必要
予約はお任せコース3,800円
当日キャンセルはキャンセル料を請求
等の注意書き。

予約をしての訪問は自分達以外に初訪が一組
それ以外には常連と見える人達。

空き席が有るのを見掛けて
確認後入って来る、やはり常連らしき人も一人二人。
結構な繁盛振り。


初めての客には、予め各種注意点の説明がある。
・飲み物のボトルは後ろに在るケースから自分で取りだす
・ワインは種類が変っても同一グラスで手酌
・料理の他の客への取り分けは禁止
・嫌いなものは残しても構わない(量が多いからムリする必要ナシ)
・(流れが滞るので)残っていると判断したものは下げさせてもらう
など等。

これらもやはり、狭い店で効率良く運営して行くために編み出された
一種、方便なのだろう。


飲み物は、最初ビールの小瓶、次いで泡のボトル(3,200円)、
最後はグラスワインで〆る。

食したのは3,800円の「あとりえコース」。
初めての人は、先ずはこれとのおススメ。


イメージ 1


前菜の位置付けだろう。
豆腐にオリーブオイルが掛かり
三種の異なる塩が振られている。

塩の違いを味わう趣向だが
正直、差は判らん。

でも、これは一方で、店主の宣言だと思った。
厨房も狭いので、凝った調理法やソースは使えない。
ならば塩で差別化しようと言う。
そして、以降の料理についても同様だとの。


イメージ 2


バゲットの上に炒めた玉葱。
蕩けるチーズが乗り、水蛸も添えられ
やはり塩もふられている。

正直、蛸が添えられる意味が分からず
別々の方が良いと思った。

一方、玉葱とチーズの取り合わせは上々。


イメージ 3


コーンのパン。
麦主体とは異なる甘みと食感。
結構良い。

しかし、少し残し、料理の合間にちびちび食べようと残して置いたら
これも「お下げしましょうか」と声掛けがある。
いやいや、これは違うでしょ。


イメージ 4


柑橘系の上に赤身と白身の魚。
柑橘系は一緒に食べても、口直しにしても。

味の主体はやはり塩。

何れの素材も出自のしっかりしたものらしいが
白身はまずまずも、赤身は生臭みが。

やはり生魚の処理は難しい。


イメージ 5


野菜の盛り合せ。

これは面白い、生のもの、煮たもの、焼いたもの。
オマケに乾燥させたものまである。
下味も付いていたりいなかったり。

季節の取り合わせもあり、随分と楽しい。
食感も味も異なるしな。


イメージ 6


野菜の追加。

今日だけで、いったい何種類食べたろう。


イメージ 7


焼き魚。
ソースはバルサミコ。ここで変化を付けて来たね。

ちょいと火が入り過ぎの感もあるけど
許容範囲。


イメージ 8


付け合せの野菜、薩摩芋が乗せられる。
ほくほくと甘く美味しい。
皮ごと行けちゃう。


イメージ 9


スープ。口直しの位置付けかな。


イメージ 10


肉料理。
これも味付けは塩。
焼き加減は良好。
中はほんのりピンクから中心の赤へ。

硬そうにも見えたけど
これくらいの歯応えが有った方が、肉を食べてる感がある。


イメージ 11


筍のリゾット。
春らしい一品。筍も軟らかく香り善し。
米も芯が残り、ちゃんと炊かれているのが判る。
チーズも入り味付けも上々。


イメージ 12


デザートは三種盛り。
何れも素朴な旨味。


量が多いです、とは事前の告知だったけど
自分的にはそれほどでもない。

確かに食の細い女性であれば
食べ残すかもしれないけど。


評価は
ビストロ基準の☆五点満点で☆☆☆★。

料理だけであれば、そこそこのもの。
一方、環境的にはイマイチ。

それでもこれだけ続いているし
常連客も付いているから
慣れれば心地好い空間なのだろう。

支払は〆て1.2万円。


ちなみに、同行者の感想は、
切って焼いて塩をふっただけ、と
散々なものだった。
オマケにモノを食べる環境ではないと。

評価が分かれる店、と言うことか。