封切り三週目。
席数190の【CHANTER-3】は満員の盛況。
席数190の【CHANTER-3】は満員の盛況。
しかし、妹は、肺病を理由に隔離され、
一方の姉も、船上での素行や、身請け先住所の不備を理由に
送還されそうになる。
一方の姉も、船上での素行や、身請け先住所の不備を理由に
送還されそうになる。
彼女は、お決まりの様に、苦界に身を沈める坂道を
転げ落ちて行く。
転げ落ちて行く。
「わらしべ長者」が、本人が意識することなく
幸を成し遂げて行くのだとしたら、
本作の主人公は、ただ生きる為、妹を救い出し一緒に暮らす為だけに
奮闘しているのに、本人はおろか、
周囲の人間にまで不幸を伝染させてしまう。
幸を成し遂げて行くのだとしたら、
本作の主人公は、ただ生きる為、妹を救い出し一緒に暮らす為だけに
奮闘しているのに、本人はおろか、
周囲の人間にまで不幸を伝染させてしまう。
当時の意識としては、それこそが「原罪」であり、
あくまでも当人の責によるものとの理解だろうが、
現代の眼からすれば、
昔から腐敗していたNY市警
きちきちに固まったキリスト教的倫理観
先に移住したものの既得権の保守
等の要素に絡め捕られ、翻弄させられる姿にしか見えない。
あくまでも当人の責によるものとの理解だろうが、
現代の眼からすれば、
昔から腐敗していたNY市警
きちきちに固まったキリスト教的倫理観
先に移住したものの既得権の保守
等の要素に絡め捕られ、翻弄させられる姿にしか見えない。
要は彼女は何も悪いコトはしてないのに、
周囲の悪が染め変えて行く、の構図。
周囲の悪が染め変えて行く、の構図。
脚本はその流れを、観客が疑義を挟み込めないほど
きちっと積み上げて行く。
きちっと積み上げて行く。
なので、ハナシの流れは至ってスムース。
我々は周りの仕打ちに義憤に駆られ、
彼女の健気さに涙を振り絞ることになる。
我々は周りの仕打ちに義憤に駆られ、
彼女の健気さに涙を振り絞ることになる。
評価は☆五点満点で☆☆☆☆。
ありきたりの設定ではあるものの、
映画としては頗る良く出来ている。
映画としては頗る良く出来ている。
二時間の尺は、
ほぼ暗く、ずっしりと思いエピソードの連続で
やや不幸の重畳がきついものの
仄かに見える光明(それとて実際は次の不幸への序章かもしれないのだが)は、
観る者の側の救済をも感じさせる。
ほぼ暗く、ずっしりと思いエピソードの連続で
やや不幸の重畳がきついものの
仄かに見える光明(それとて実際は次の不幸への序章かもしれないのだが)は、
観る者の側の救済をも感じさせる。