RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

第6回 恵比寿映像祭@東京都写真美術館 2014年2月15日(土)

7日(金)が初日の本展
最初の週末は雪にたたられ、
今週末も、またもや雪にたたられ、
会期末の23日(日)まで、この先穏当に進めばいいがと思いながら訪問すれば、
想定通り館内はかなり閑散としており、
過去六回で一番の不入りな感。

尺の長い映像作品が多いのも
その一因かもしれない。

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今回のお題は「トゥルー・カラーズ」。
(それこそ)色々な意図に取れそうだが、
さて、実際の展示はどうか。


『キムスージャ』の〔針の女〕。
六分半の小品。
四面のスクリーンには、中南米・中近東・アフリカ等の
目抜き通りの雑踏が映し出される。
その中央には、漆黒の長い髪を束ねた小柄の女性が身動ぎもせず屹立する。
群衆は、ある者は彼女を避け、ある者は話しかけ、ある者はぶつかり、
ある者は一顧だにせずやり過ごす。
彼等・彼女等の、肌の色・髪の色・目の色・服装も様々だ。

しかし、彼女は揺るぎ無く、最初から最後まで
その姿勢を崩さない。

とっても迷惑である。


『下道基行』の〔torii〕。
サイパンや台湾・樺太など
嘗て日本の占領下にあった土地で
日本の移住者達が建てた鳥居の残滓を追う。

今となっては、現地の風景に溶け込み、
意図的に提示されないと、それとは判らないものが多数。

しかし、神社とセットであったにもかかわらず、
木の建物は撤去され、石の建造物(鳥居)だけが
厳然としてそこに残る。

戦前・戦中の、彼の地を写した絵葉書も添えられ、
被占領下の人々、そして、植民し
やがては内地に戻って来た人々を想う時、
茫洋とした回顧の念に囚われる。


そして、とってもお馬鹿さんなインスタレーション
小沢剛、チェン・シャオション、ギムホンソック』による〔西京人〕。

会場内の一角に、ダンボールの箱を積み上げ仕切られた一角。
何の気なしに入って行こうとすると、
係りの女性が近づいて来、A4大のパネルを見せながら、
「ここは西京という国の国境です。ここから中に入るには
入国審査が必要です」と。
理解できずにきょとんとしていると、重ねて、
「何の気なしに入って来られて、意味不明と思いますが・・・・」と更に切り出され、
そこで理解し大笑いする。
成る程、そ~ゆ~仕掛け、ギミックなのね。

そして、「趣旨をご理解いただき、ありがとうございます」と、
晴れて入国の審査にパスし、中に入って行ける許可が出る。

いや~役目とは言え、来る人来る人にこれをやっている
女方の日々の労力に頭が下がります。

って、ゆ~か。制作者側は、それも見越して楽しみ、
裏で意地悪くほくそ笑んでいるんじゃ~ないか?

何れにしろ、こ~ゆ~バカバカしさは、大好きだけどな。