封切り三週目に突入。
席数の246の【シアター1】は九割方の入りで盛況。
席数の246の【シアター1】は九割方の入りで盛況。
割引デーでもないのに
この状況は凄い。
この状況は凄い。
客層も、中学生くらいの女子二人連れが居るかと思えば、
かなり高齢の夫婦(たぶん)もおり、
ホントに幅広い。
かなり高齢の夫婦(たぶん)もおり、
ホントに幅広い。
いみじくも劇中で語られている様に
「赤ちゃんの取り違え」は自分が丁度思春期の頃に発覚し、
しかも数件が一挙に明るみに出たことで
往時、相当の露出でニュース等に取り上げられた記憶がある。
「赤ちゃんの取り違え」は自分が丁度思春期の頃に発覚し、
しかも数件が一挙に明るみに出たことで
往時、相当の露出でニュース等に取り上げられた記憶がある。
それが本作の舞台の現代に起きるのは
それなりの伏線があるのだが、
寧ろ人と人との繋がりを描くために
借りて来た側面が色濃い。
それなりの伏線があるのだが、
寧ろ人と人との繋がりを描くために
借りて来た側面が色濃い。
また、過ごした時間の濃密さか
血の濃さの問題なのかは〔秘密7 清水玲子〕でも
描かれている如く、より富や権力を持っている方が、
「血」に固執する傾向が強くあることは、
多くの歴史も物語っている事ではあり、本作の主人公も御多聞に漏れない。
血の濃さの問題なのかは〔秘密7 清水玲子〕でも
描かれている如く、より富や権力を持っている方が、
「血」に固執する傾向が強くあることは、
多くの歴史も物語っている事ではあり、本作の主人公も御多聞に漏れない。
彼は所謂エリートで
挫折を知らずに出世の階段を駆け上がり、
仕事上では人望も厚い。
挫折を知らずに出世の階段を駆け上がり、
仕事上では人望も厚い。
富と貧、陰と陽と、対比的な二つの家族が
思わぬ事態を巡って困惑する。
思わぬ事態を巡って困惑する。
しかしここでは、人物の背景となる設定や
エピソードの積み重ねが頗る上手い。
エピソードの積み重ねが頗る上手い。
主人公の父親の見識や上司の何気ない一言、
一方で彼の母は継母であるとの生育環境。
一方で彼の母は継母であるとの生育環境。
幼い頃の実母との関係、
そして妻との馴初めや今の生活が、
或る時は短い会話で、
或る時はショットで雄弁に語られ、
我々はその人となりを次第に理解する。
そして妻との馴初めや今の生活が、
或る時は短い会話で、
或る時はショットで雄弁に語られ、
我々はその人となりを次第に理解する。
病院から勧められた、子供の交換という選択肢を
どう処理するかは観てのお楽しみだが、
それなりに得心できる経緯に基づいた
納得できる落としどころだろうか。
どう処理するかは観てのお楽しみだが、
それなりに得心できる経緯に基づいた
納得できる落としどころだろうか。
評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。
静かな造りながら、その裏では強い意志が働いている
骨太な一作に仕上がっている。
骨太な一作に仕上がっている。
ただ、世に評価される監督独自の演出だが、
親子間の会話が、妙に他人行儀になっている箇所もあり、
場面ごとに善し悪しがあると感じた。
親子間の会話が、妙に他人行儀になっている箇所もあり、
場面ごとに善し悪しがあると感じた。
一方、まるっきり同じようなシチュエーションながら
さらに厄介な「民族」の問題を取り込んだ
『もうひとりの息子』と言った作品もあり、
これも鑑賞すべき一作か。
さらに厄介な「民族」の問題を取り込んだ
『もうひとりの息子』と言った作品もあり、
これも鑑賞すべき一作か。