RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ポテチ@チネチッタ川崎 2012年6月2日(土)

1時間15分という短い尺の故か、
窓口での料金は1,300円と格安。

なので、ここでは、
正規の金額を払い、正々堂々、胸を張って入場する。

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キャパ138席の【CINE 3】は六割程度の入り。

客層は幅広いが、カップルが多いのは
『伊坂』原作によるものか。


原作:『伊坂幸太郎
監督:『中村義洋
主演:『濱田岳
と、共通の記号が例によって振られている。

伏線も常の如く張られてはいるのだが、
ここでは、やや軽め、
あくまでも上映時間(勿論、原作では、頁数)に
見合ったそれになっている。


ストーリーは、空き巣を生業とする青年『今村(濱田岳)』、
監督からの不興を買い干されている甲子園の元スター『尾崎(阿部亮平)』、
たまたま誕生日が同じ二人の人生が、交錯することで生まれる。


鑑賞直後の感想は、軽やかで爽やか。
実際はかなり重いテーマであるにも拘わらず、
悲愴にならない程度に仕上がっている。


タイトルの〔ポテチ〕には、
ほんの一瞬、触れられるにすぎない。

ただ、頼まれたのと異なるフレーバーを
間違って渡したことで発生する一連の経緯や会話が
(何気ないシーンではあるけれど)、
このオハナシのキモであり、後々の余韻を残すことに効いて
秀逸。


やはり空き巣のプロであり
(多分)アスペルガーである『黒澤』を
大森南朋』が的確に演じて素晴しい。


スロースタートで、この尺で
どうなることかとの最初の不安は杞憂だった。
仙台発の、鮮やかな手練の一作。