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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

林忠彦写真展@たばこと塩の博物館 2012年1月22日(日)

今『山田風太郎』著〔人間臨終図巻〕の〈新装版〉
を全4巻中の3巻まで読み進めている。
巻を措く能わず、の名著なのだが、
取り上げられている人物の、
相当数が本展と重複している。


イメージ 1


サブタイトルに「紫煙と文士たち」
とある様に、多くは煙草を咥えるか持つかしている。

撮影者と同時代を生きた「文士」の
ある者は「無頼」が切り撮られている。

各々の作品には被写体の来歴が付けられているのだが、
その内幾つかには撮影時のエピソードや
写真家との交友や想い出が綴られている。
それが前著とかなり重なりあって、
より鑑賞時に重みを増してくれる。


その中でも、『織田作之助』『太宰治』『坂口安吾』『田中英光』の
四人が並んでいるはパートは壮絶だ。

あの、あまりにも有名な『ルパン』で撮られた
イメージ 2

この一作に纏わる三人についての経緯が、
その後の『田中英光』の写真にまで
影響しているなんて。

意図的に並べられた一角の前に佇み、
運命や偶然の糸を感じるだけでも、
この場に来た価値は十分にある。

~3月18日(日)までの長丁場。
本日は会期二日目だが、
入場者は全然少ない。
ので、ゆったりと鑑賞できる。

一般の入場料は、例によって百円と格安だが、
都度、新聞に掲載される割引券を持参すれば、
50円での入場が可能。