会期は~今月10日(月)まで。

会場内は照明を落とされ、BGMが流れる。
来場者はさほど多くなく、ゆったりと鑑賞できる。
全ての写真はモノクローム。
基本、暗い背景に、はっとするほど鮮やかな花々が
くっきりと浮かび上がっている。
くっきりと浮かび上がっている。
しかも、それらの全てが、妖しいエロチシズムを湛えている。
花びらや雄蕊・雌蕊が大写しになった作品ほど、
ふんぷんと薫って来る。
ふんぷんと薫って来る。
一方、花瓶等が添えられているものはどうだろう。
あるものは、しな垂れる様に寄り添い、
力が抜け、身を任せきっているようだ。
力が抜け、身を任せきっているようだ。
あるものは、入れ物からもりもりと盛り上がり
増殖しながら、今にも外に広がって行きそうだ。
増殖しながら、今にも外に広がって行きそうだ。
そして、あるものは、屹立し、それ自体が
力強さを見せている。
力強さを見せている。
これらが全て、一人の手になるものとは思えないほど、
多様性に満ちている。
多様性に満ちている。
彼の死の直前に撮られた〔チューリップ〕は
花がじんわりと滲んだ異色作。
花瓶から大きく身を投げる花々は、
腰を折る様にも、
運命にあがらい逃げる様にも見え、
未来を知る我々には、
何とも切ない一作に映ってしまう。
花がじんわりと滲んだ異色作。
花瓶から大きく身を投げる花々は、
腰を折る様にも、
運命にあがらい逃げる様にも見え、
未来を知る我々には、
何とも切ない一作に映ってしまう。