RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ロバート・メイプルソープ写真展「flowers」@西武渋谷店A館7F特設会場 2012年9月8日(土)

会期は~今月10日(月)まで。

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しかし、これだけの物量なのに、入場無料だなんて
なんて有り難い。

メイプルソープ』の作品中、
「花」を写したものから精選され展示されている。
総数60。

会場内は照明を落とされ、BGMが流れる。

来場者はさほど多くなく、ゆったりと鑑賞できる。

全ての写真はモノクローム

基本、暗い背景に、はっとするほど鮮やかな花々が
くっきりと浮かび上がっている。

しかも、それらの全てが、妖しいエロチシズムを湛えている。


元々、花は何のために在るのか、
そして『メイプルソープ』の生き方を思うにつれ、
それは増々、くっきりとした骨格となって
眼前に現れる。

花びらや雄蕊・雌蕊が大写しになった作品ほど、
ふんぷんと薫って来る。


一方、花瓶等が添えられているものはどうだろう。

あるものは、しな垂れる様に寄り添い、
力が抜け、身を任せきっているようだ。

あるものは、入れ物からもりもりと盛り上がり
増殖しながら、今にも外に広がって行きそうだ。

そして、あるものは、屹立し、それ自体が
力強さを見せている。

これらが全て、一人の手になるものとは思えないほど、
多様性に満ちている。


彼の死の直前に撮られた〔チューリップ〕は
花がじんわりと滲んだ異色作。
花瓶から大きく身を投げる花々は、
腰を折る様にも、
運命にあがらい逃げる様にも見え、
未来を知る我々には、
何とも切ない一作に映ってしまう。