RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

アーウィン・ブルーメンフェルド@東京都写真美術館 2013年5月3日(金)

一般の入場料は800円だが、
事前に入場券を300円で購入済み。

会期は~5月6日(月) までで、
「美の秘密」なるサブタイトルが冠されている。

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連休後半の初日、しかも、うらうらと良い天気。
会期末も近いので相応の混雑を覚悟して行ったのだが、
そこそこ人は入ってはいるものの、
鑑賞するのにフラストレーションを感じるほどではない。


元々、コマーシャルフォトは大好き。
その代表が『ヘルムート・ニュートン』。
本展の『アーウィン・ブルーメンフェルド』もやはりドイツ生まれ。
しかも軍役経験ありの共通項。
何か通底しているモノがあるんだろうか。

モデルも綺麗に撮らなければいけない。
一方、商品の魅力や雑誌の表紙の主張が霞んではいけない。
そのギリギリの鬩ぎ合いで、作者の主張が出るのが面白い。


で、本展、
『ヴォーグ』等の雑誌を飾った写真の原本とその表紙、
更には、{シュール}な作風の、または一風変わった{ダダ}っぽいヌード、
作風の広がりを感じさせる写真に、
資料を含め300点弱が並べられ、見応えは十分。


ジュリエット・グレコ』『マレーネ・ディートリッヒ』『グレース・ケリー
を撮った一枚は、はっとするほどの美しさや気品が漂う。

『サージェント』の〔マダムX〕や
フェルメール』の〔真珠の耳飾りの少女〕に
想を得た一葉もあり、当時にしての目の付け所の確からしさに、
唸らされたりもする。

が、本展の一番は『ナタリア・パスコ』を
強い陰影で撮ったゼラチンシルバーの一枚。
その凛々しく整った横顔と共に、
強烈な目の力に、
もう釘付けになってしまった。


また、1940~50年代の、
戦時の影が色濃く落ちる雑誌の表紙でも、
そのスタイリッシュさは微塵も欠けることが無く、
アメリカの国力をまざまざと見せつけられ、
ちょっと怯んでしまう。