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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

うす羽の幻想 鏑木昌弥展@練馬区立美術館 2011年7月2日(土)

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こう言った展覧会を
無料で開催してくれる当該美術館の太っ腹さ加減には、
余りの有り難さに、ホント思わず頭が下がってしまう。

ドローイングを主体に、
約五十点が展示され、
加えてA4十六ページのリーフレットまで無料配布されると来ては、
尚更、その感が強くなるでしょ。


しかし、展示されている作品達は、
一筋縄ではいかない。

例えば『飛ぶ修羅』『閉塞する羽根』『羽化の人』の三作品。
何れも羽根を纏った人が描かれるのだが、
本来であれば身を軽やかにする装置であるはずなのに、
逆にその重さに押し潰されそうに見えるのは、
強ち気のせいではない。

身体のパーツをクローズアップした作品、
『うなじ』『背中の記憶』には、
ノスタルジーの中に潜む哀しみが
見えてしまう。

圧巻は、
『花嫁姿』と『馬に乗って』。
前者は白無垢の、嫁ぐ直前の姿を描きながら
少しも幸せそうに見えないのは何故だろう。
後者は「角隠し」で顔はすっぽりと蔽われ、
手には数珠。
蒼い馬に乗り、背景にぽっかりと明いている
小さな空間の先には
冥府が在る様に感じてしまう。

頭の上に鳥を載せた女性像五点も、
奇妙なアンバランスさ。

総じて、この空間全体が、
非日常な場に変容してしまっている。
絵の持つ強大なチカラに圧倒されそうになる。