RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ビストロ33@池袋:フレンチ

この店との付き合いは、もう三十年近くにもなる。
開店したての頃、先ずはランチ、そして
ディナーと、かなりあしげく通い、色んな案内も貰うようになった。
「御節」もここで作ったものを毎年のように買わせて頂いた。

そして、五年ほど前だろうか、
オーナーからの年賀状にあった「暫らく充電します」という謎の文書。
ややあって、弟子に店を貸し、自分達は一線を退いたことを知る。

元々、遠くへ引っ越してしまったため、足がかなり遠のいていたのだが、
このところは全然訪問していなかった。
Webでは時々chkはしていたんだけど。

そして、今年の9月頭。
届いた葉書を何気なく見ると、
なんと10月頭から現場復帰するという嬉しい知らせ。
これは、行かずばなるまい。

ということで、予約をし、勇躍出かける。
しかし、店内は他に一組の先客だけと
以外と閑散。

聞けば、ディナータイムの客は四組に限定している由。
二人だけで切り盛りしているので、
それくらいが限界とのこと。
営業時間も17:30~20:30(ラストオーダー)は
かなり早いよなぁ。
しかも、用意されているコースも二種のみと、
以前からはかなり減少。
ただ、前述の理由を考慮すればやむをえまい。

例によって〔アペリティフ〕を飲みながら(と、言ってもビールだけどさ)
メニューを選択する。
ここでは、〔シェフのおまかせコース〕5,500円を選択。
ちなみに、もう片方のコースは3,500円。

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アミューズは〔ハムのリエット〕。
バゲットの上に美しく絞り出されている。
口に入れれば、おお、本当だ、ハムの味がする。
しかし、さっぱりとして、最初の一口には最適だ。

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次ぎにオードブルの三種盛り合わせ。
〔魚介のマリネ〕は海老・帆立・烏賊。サラッとしたオイルに漬け込まれている。
〔豚肉のパテ〕は御馴染みの懐かしい味。荒めの肉の粒子が心地良く舌に当たる。
〔サーモン〕厚みがあり、脂も乗っている。中にはサーモンのリエット。

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次いでのオードブルは、〔フォアグラのソテー〕
表面はかりっと、中はしっとり。甘めのソースがぴったり合う。
下に敷かれているのは、コンソメで煮た里芋。これが出色。
甘味が増し、これだけで食べても十分に美味しい。

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魚料理は〔ポアレ〕。
皮がパリパリ。酸味のあるバターソースを付けながら頂く。
白身に著しく合うのだ。

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肉料理は〔鴨のロースト〕。
表面は芳ばしく焼き上げられているのだが、
中は血が滴りそうなルビー色。
しかし、ちゃあんと火は通っている。
プラムと甘めのソースが肉にぴったり
(西洋人の、この感性には、ほとほと感心する)。
かりっと揚がったジャガイモが又美味しい。
なまじのチップスなど問題にならない。

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付け合せは、〔ポテトグラタン〕。
ホワイトソースは家庭では真似のできない味。

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〔チーズ〕は二種。黒パンに乗せて頂く。
ぼちぼちお腹もくちくなってきたかな。

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デザートは〔バナナ〕。
蒸されたバナナは甘味と香りが増している、
それだけでも十分なのに、焼いたカスタードクリームを纏い、
更に美味しさが向上。

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プチフールは〔キャラメル〕と〔トリュフチョコ〕。
勿論、自家製。
キャラメル食ってます、
チョコ食ってますぅ、というしっかりした味わい。
苦い〔エスプレッソ〕と共に頂けば、上々の補完関係。

適度なワインも一本空け、二人で二万円を渡せば、
千円札が数枚御釣りに来る。
何て素晴しい、C/P。

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ちなみに、相方のデザートは〔ガトーショコラ〕。
これもチョコの苦味と甘味が絡み合って、
う~ん、たまらん。

正直な食後感は、以前よりかるくなった印象(勿論、良い意味で)。
ただ、こちらも年齢と共に、重すぎるものは受け付けなくなるわけで、
これはこれで好都合。