RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

Un Grand Pas:フレンチ ビストロ

「ビストロ」や「フレンチ」という表現が正しいのかどうか・・・・。
西洋料理の手法で、地産素材の旨味を十全に引き出す食堂
の表現がぴったり来る。

訪問当日は、生憎の大雨のためか、
来客は我々一組のみ。

二十人くらいは入れるであろう店内は、
テーブルがかなりゆったりと配置されている。

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シルバーはこんな感じでセッテイング。
予め置かれている、箸の袋もセンスが良い。
コースターにも焼印。

ビールを呑みながら、メニューを吟味する。
三千円・五千円・七千円(税別で)のコースがあり、
前二つはメインを選択する、一種プリフィクススタイル。
後者はお任せとなる。
三千円のコースは、肉・魚から一品、
五千円は魚から一品・肉から一品を夫々選択。

悩んだ末、三千円のコース(bleu)を選択。
それ以外にアラカルトを追加することにする。
それ以外のコース名は、Rougeとblancで、
纏めるとフランス国旗の色ね。

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前菜の盛り合わせ。
初手からなんて嬉しい。

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メジ鮪は表面を炙られタタキ状態。
淡い朱色と白の取り合わせが美しい。

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砂肝のコンフィ。
こりりとして食感がたまらない。
塩分もほどほど。

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田舎風パテ。
軟骨まで刻まれて入っている。

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これが絶妙。
鯵の味付け、衣がトマトソースの酸味と
合う。

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ワインは、「白。辛すぎない。重過ぎない。
華やかな香り」と値段を設定して、
提示された三本から選択したのが、これ。
ニュージーランド産のソービニヨン・ブラン。
値段は2,600円。
「あまり高いワインは出ないので・・・・」
だなんて、女将さん、ほんわかして面白過ぎ。

実際に口に含むと、上記の用件は満たしている。
やや酸味が強いが、これはこれで料理には合うだろう。

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一品目のアラカルトが、此処で登場。
《トリュフオムレツ》
何て良い香り。美しい方錐形。
ここで少々早いがパンをお願いし、
オムレツとトリュフを載せ、
顎をしっかりと動かして、良く噛む。
これで更にトリュフそのものの味を感じられる。
かなりの量があり、食べでも十分。

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ガスパチョ》六種類の夏野菜。
爽やかな酸味。紫蘇の香りも良い。
「何が入っているか、判ります?」
「トマト、セロリ、胡瓜(ズッキーニ)、玉葱。
あと二つが判らない」
「正解は、ピーマンとパプリカ」
おお、そうなのか。

アラカルトの魚料理は《黒鯛のポーピエット》を選択。
てっきり、切り身で何かを包んである料理かと思ったら、
出てきたのは、これ。
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訝りながら包みを開けると、
何とも良い香り。
これは、バジルも勿論なのだが、
黒鯛自体が持つ香り。
磯の魚は、独特の匂いがあり、
刺身で食べるには少々工夫が必要だが、
この調理法は、その癖のある香を
良い方に転化する手法。
皮も、勿論、パリパリ。身はほっこりとしている。
下には野菜が大量に敷かれ、其処からの旨味も溶け出す。
使われているのは、先ほどのスープと同様の素材だな。

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メインの肉料理は、《豚肉のオレンジソース》
「男の浪漫です」との一言と共に出されたのは・・・・、
おお、何てデカイバラ巻きチャーシュ。
厚さは3cmほどもあり、ロールケーキより更に大きい。
すげ~。
オレンジは甘味も含め仄かに薫る程度。
柔かいし、適度に脂も落ちている。
付け合せの野菜からも、その大きさが感じ取れるでしょ。

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グリーンサラダが、更に付く。

デザートは4品からの選択性。
でも、お腹に余裕があったので、
費用を追加して、少しずつ、盛り合わせてくれるよう
お願いする。そして、出されたのが、これ。
全品がたっぷり盛られている。
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「食べられますか?私だったら大丈夫です」との一言は、
女将さん、最後まで面白過ぎ。

左隅から時計回りに、
生チョコロール
チョコブラウニー
レモンシフォン
バナナタル
中央が、ホワイトチョコブリュレ。

チョコロールは、口の中でサラサラと生チョコが蕩ける。
ケーキには果物も添えられ、酸味でさっぱりする。
シフォンは香り善し。
タルトは焼いたバナナが乗り、食感と香りの異なる甘味のハーモニー。
そして、これが、凄い。ブリュレ。
練乳の様な濃厚さと甘さ。しかしホワイトチョコの味。
表面はパリパリで、この食感が素晴しい。

「どれが一番、美味しいですか?」
「ブリュレ、でしょう」

しかも、何故か、5品になっているし。

当然のことながら、残す、なんてことは有り得ず、
全て完食。
いや、満腹です。

飲み物も入れてのお代は、二人で1.3万円強って、
むちゃくちゃ安いんですけど。
満足度も高いです。

あ、ちなみに、上記訪問は六月のことです。