RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

武士道シックスティーン@109シネマズ川崎 2010年4月30日(金)

連休も始まり、子供向け作品を鑑賞するために並ぶ親子連れで、
窓口はかなりの混雑。

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一方、89席の【シアター8】は三割程度の入り。
かなり空席が目立つ。
客層は男性の独り客多し。
ま、お目当ては、主演の二人ですか・・・・。

これは、『成海璃子』の顔により成立している映画であり、
彼女の顔そのものを見るための映画である。
かなり整ったその面立ちは、常に厳しい、怖い表情を維持し、
これができる女優さん無しには、本作はあり得ない。
が、それが故、破顔するシーンが生きて来る訳だ。


女子剣道の中学生チャンピオン『磯山香織(成海璃子)』の唯一のトラウマは、
かつて同学年の『西荻早苗(北乃きい)』に敗れたこと。
追い詰めた後の、不自然な足捌きと打ち込みに、キレイに面一本を
取られてしまった。

その失点を取り戻すべく、『磯山』は『西荻』のいる高校に入学して来る。
しかし、初めての練習で見た『西荻』の実力は、惨憺たるものだった。


無骨という表現がぴったりの『磯山』と、
如何にも現代風の女子高生である『西荻』の
スポーツを通しての成長譚。

相容れない性格の二人を、その容姿を含め、上手く描き分けている。
陰と陽。暗と明。胴着の色も分けられ、気が付いた?
走る方向も右左逆に撮影されてるんだぜ。

周囲の年上の人たちの、妙な物分りの良さを、
二人の屈折した感情が中和し、物語の流れは自然。

主役が女性二人の映画で(あ、三人以上は別ね)あまり上出来な例は記憶に無いけど、
本作は明るい『西荻』にも、実は有る影の部分を描くことで、
上手くバランスを取っている。

しかし、『成海璃子』である。
すっぴんで、眉を寄せ、般若の様な表情は、素晴しい。
がっしりした体型も含め、
こういったがさつさがサマになる女優さんは、何人いるんだろう。