『本岡』一家は地域の有力企業の社長を務める父のもと、
何不自由ない生活を送っていた。
ただ、一人末娘の『昭菜』を除いては。
何不自由ない生活を送っていた。
ただ、一人末娘の『昭菜』を除いては。
『昭菜』は幼い頃、『本岡』家に引き取られたのだが、
その間の事情は詳らかにされることは無い。
が、それがために彼女は、家の中では、居るのに
居ないような存在として扱われ、教育を受けることはおろか、
家の外に出たことも無い。
その間の事情は詳らかにされることは無い。
が、それがために彼女は、家の中では、居るのに
居ないような存在として扱われ、教育を受けることはおろか、
家の外に出たことも無い。
唯一、叔父の『壮嗣』だけはそんな彼女に優しくするが、
回りに人が居ない場合に限られており、そうでない時の態度は
やはり素っ気無い。
全ては、『昭菜』の出自が関係しているようなのだが・・・・。
回りに人が居ない場合に限られており、そうでない時の態度は
やはり素っ気無い。
全ては、『昭菜』の出自が関係しているようなのだが・・・・。
まず、時代背景や言葉使い、または並べられている単語も含めて、前時代的。
ま、三十年も前の作品だからなぁ。
ま、三十年も前の作品だからなぁ。
その点は置くとして、
不満がかなり残ってしまうのは、
人物の背景が語られることが殆んど無いため。
不満がかなり残ってしまうのは、
人物の背景が語られることが殆んど無いため。
地方で敵対する二つの地元企業。
その覇権を目論み暗躍する男達。
一族内の権力争いも絡み、ドロドロとしている。
その覇権を目論み暗躍する男達。
一族内の権力争いも絡み、ドロドロとしている。
「恐ろしい男なのだ」って言われても、「・・・・」だし、
「その気になればいつでも実権を握ることが出来る」って、
不可能だし。
物語の核となるそれらの背景が曖昧模糊とし、
造形が細に入っていないため、
感情移入できないのだ。
「その気になればいつでも実権を握ることが出来る」って、
不可能だし。
物語の核となるそれらの背景が曖昧模糊とし、
造形が細に入っていないため、
感情移入できないのだ。
一方で、家庭内の女性達の描写は詳細を極める。
企業間抗争の側面は取って付けたようだ。
ただ、理由も無く(これは本人にとって、勿論他の人には理由がある)無視され続ける、
主人公の、ある種片肺なシンデレラストリー。
企業間抗争の側面は取って付けたようだ。
ただ、理由も無く(これは本人にとって、勿論他の人には理由がある)無視され続ける、
主人公の、ある種片肺なシンデレラストリー。