【駒沢通り】に沿ったアーケード街、
だらだらと続く坂道の右手を注視して歩けば、
やがてA看板やら店の存在を示す印が見えて来る。
入り口は更に奥まった場所。
11:20の着でイの一番。
暖簾が出されたのは定刻通り。
その後、食べ終わって出るまでの来客は四。
店内は厨房に向いたストレート五席のカウンター。
その対面には二人掛けのテーブルが二卓。
券売機は入り口右手の奥にへこんだ場所に置かれている。
食したのは、
昆布水の味噌つけ麺。
値段は1,200円で、ここ暫く食べた中では最も高額。
特製でもないんだが・・・・。
食券を渡すと《つけ麺》は茹で時間が10分掛かる旨
告げられる。
それよりは短い8分ほどで、
先に昆布水に漬かった麺が、
一拍遅れてつけ汁が供される。
思いの外麺量はあるようで、
それがまずは嬉しい。
中、平、捻じれ。
軟らかめの茹で加減。
表面は滑らかでつるりと啜れ、
もちもちの歯触り。
量は250gほどもあるだろうか。
「浅草開化楼」の麺箱がそこかしこに
詰まれている。
先ずは、昆布水に漬かったそのままを、
次いで予め供されている塩を試してみるが、
これは少々、尖りがあるかな。
半分以上を食べ終えてからは
添えられた酢橘を振り搾り、爽やかな酸味をプラス。
でもこれをやると昆布水が固まっちゃうのよね。
で、その昆布水だが、店に入った瞬間から
味噌よりも昆布の乾物の香りの方が強くする。
粘度は高めで上品な口当たり。クセもなく
良くできている。
つけ汁には、しゃき感の残るモヤシがたっぷりに
胡麻が振られ韮も乗せられ、海苔が一枚刺さっている。
器も熱々で、そのまま持つにはかなり難易度高し。
「味が濃かったら、昆布水で調整してください」とのことだったけど、
いやもう全然、このままで問題ありません。
複数の味噌や香草類がブレンドされた深みのある旨味。
鹹過ぎず、麺への絡みも十分で、
あうやく完飲しそうになるのをすんでのところで思いとどまるほどの
完成度。
チャーシューは低温調理の鶏と豚が各一枚。
鶏は厚みもありしっとり、
豚はかなりレアに見えて、つけ汁に漬し
ほどよく熱変したのを見計らい、ぱくっといただく。
花穂紫蘇は彩は勿論、
つけ汁に入れれば香りも良くなる。
評価は、☆5点満点で4.5(☆☆☆☆★)。
美味しいのは間違いのないところも
懐には優しくない(笑)。
ただ《味噌和え麺》の味の方向性は
どうにも気になるところ。