普段なら人通りの絶えない
【一ツ木通り】から一本入ったこの道も
このご時世では店の明かりすら疎ら。
そんな中、ぽつんと火が灯る一軒。
そこそこ寒い中でも
入り口の戸が開け放たれているのは対策の一環。
当日は何日か前に予約を入れての訪問。
出だしの頃こそ客は我々だけだったけど、
19時を過ぎるあたりから団体、
三~四人のグループとなかなかに賑やかに。
それでも全体としては密な状態になってないんだから
経営は大丈夫だろうかと要らぬ心配になったり。
それはそれとして
「2時間飲み放題付」の「個食盛り鍋コース」5,000円(税込み)で、
存分にお腹を満たしましょ。
《前菜 本日の前菜7点盛り合わせ》《刺身》
目にも嬉しいディスプレイ。
味もそれに負けず劣らずで。
枝豆の旨味は濃厚。
薩摩芋は大学芋にも似た旨さ。
煮豆はほっこり口当たり。
煮凝りはさっぱりした美味しさ。
炙った締め鯖は脂が乗っている。
蛸の和え物は塩辛の様な練れた味。
刺身は厚く切り出され、
脂の乗りも上々。
《特製ドレッシングで食べる和サラダ》
ドレッシングもそうだけど、
野菜はシャキシャキで美味しい。
特にトマトの甘みと言ったら・・・・。
こういった場所では作り置きでパサパサになったものが多いけど、
真逆の方向性は好感が持てる。
《揚物 鶏天~季節の野菜の天ぷら添え~》
薩摩芋、茄子、獅子唐に鶏天が二つ。
以前は鶏を天麩羅にすることすら知らなかったけど、
彼方此方で饂飩を食べるようになってから違和感なし。
それとも最近出て来た流儀なのかしら?
《生もつ鍋》
大鍋で取り分けるコースもあったのだが、
少しぐらい高くなってもと、個食を選択。
モツがたっぷりと入って、
それだけでも嬉しい。
《赤紫蘇飯》《鮭の焼き漬け》《香物》
ご飯には「ゆかり」が掛かり、
出汁巻玉子も併せてお供のおかずは万全の体制。
でも、鍋で残った出汁を掬いかけ、
茶漬けのようにして食べるのが堪らんね。
《甘味》
抹茶のミルフィーユ。
随分と凝ったものが出て来て驚く。
渋さと甘みが上手く調和し、締め括りには十分な一皿。
鱈腹呑んで食べて、やや素材が被ってはいるものの、
この金額はお値打ち。
評価は「居酒屋」基準の☆五点満点で
☆☆☆☆。