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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

荒木経惟 往生写集@資生堂ギャラリー 2014年11月15日(土)

何とも不穏さを感じさせるタイトル。
作家自身も齢七十を超え、
更には癌の摘出手術も経験するという経緯がそうさせているだろうか。

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なのに、サブタイトルは「東ノ空・PARADISE」。
何れも死を感じさせるものではない。

会場内で先ず驚かされるのは「撮影可」の表示。
普通無いよね、これは。


〔東ノ空〕と〔銀座〕は何れも2014年のモノクロ作品で、
定点観測のシリーズ。

前者は(多分)自分の住まいの東に見える景色を、
同じ時間に同じ方向にレンズを向け切り取ったものだろう。
ここからは、諦観とか寂寥と言った印象を受ける。

後者も同様、四丁目のホコテンの景色が切り取られている。
ここからは、活気のようなものを感じてしまう。


アンビバレンツなのが〔PARADISE〕。
ここでの「P」は左右逆に表示されている。

漆黒をバックに鮮やかな華が咲き誇る。
一見『蜷川実花』の作品の様だ。

しかし中には、怪しげな物体も写し込まれている。
フィギュアやドール、ハリガタ、などなど。

それがあるモノはバラバラにされ、
あるモノはキメラになり、
あるモノは輪廻のように咥え込まれている。

そして主役の華も、盛りを過ぎ、今にも腐乱しそうだ。

濃密な死の気配が全体から香り、
観客の側は怖気をふるう。


このスペース全体が、イマの作家の心象風景なのだろうか。