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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

桑原甲子雄の写真 トーキョー・スケッチ60年@世田谷美術館 2014年5月11日(日)

此処へ来るのも随分と久し振り。
以前は住居が近かったこともあり
回数を重ねたもんだが、確か”ワイエス展”が最後だったか。

今回は招待券を頂いたので、やって来た。
一般の入場料は1,000円。

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天気の良い休日の常で
公園内は親子連れで溢れている。
なのに、館内は意外なほど閑散、
館員さんの姿が目立つほど。


展示されている作品はほぼスナップで〆られ、
成る程、タイトルの「トーキョー・スケッチ」は言い得て妙。
写真家の、あくまでも私的なクロニクルだが
俯瞰して観た時には、昭和~平成を貫く
膨大な記録誌にもさも似たり。
風俗や土地の変遷を見るだけでも
知的好奇心が十分に刺激される。


昔の日本人男性は、帽子をかぶっているいるヒトが
随分と多かったんだなぁ、とか

1930年代の後半でも戦争の影は殆ど見られないなぁ、とか

話しで聞き、本で読んだ浅草のレヴューって、こんなだったんだ、
とか

それにもまして1940年前半の満蒙地区で
中国人やロシア人とごく普通に親しむ日本人達。
戦時下だから、とは単純に両断できない風景が
写されている。

そして「東京五輪」を目前にして変容する首都の姿。
しかし、次第に人臭さも街頭から抜けて行く様だ。

70年代以降は、もう自分にとっても馴染み深い。
記憶に在る光景が其処彼処に見られる。


来場者はやはり、高齢の親子や夫婦が多い。
声を上げ、指を指し記憶を確かめあっている。

そう言った情景も含めて、一つの作品展として成立させるのが、
おそらく本展の目指すところ
なのかもしれない。


一通り観終わり外に出ると、
随分と来館者が増えている。

場所柄だろう、早い時間が比較的
ゆったりと観られるのだな。