RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

Another アナザー@TOHOシネマズ六本木 2012年8月14日(火)

折角、1,000円で鑑賞可能な日だと言うのに、
席数180の【SCREEN6】は二割程度の入りと、
かなり閑散。

しかも、中高年のおじさん単独客が圧倒的に多く、
カップルは過小。
この手の映画は隣に座った女の子に
「きゃ~、こわいい~」などと言われながら
カラダを寄せてもらってナンボだろうに。
イイのか?こんなことで(人の事は、言えんが・・・・)。
それとも、主演の『橋本愛』に萌えるのが目的なのか。

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とある地方の『夜見山北中』3年3組に、東京から『榊原恒一(山崎賢人)』が
学期途中に転校して来る。

やがて『恒一』は、クラス内に違和感を感じる様になる。

特に、眼帯をした物静かな少女『見崎鳴(橋本愛)』については
彼以外の誰もが注意を払っていないし、
その存在が無いものかの様に振舞っている。

『見崎』に興味を持った『恒一』が彼女に話しかけた時に、
不幸の連鎖が始まる。


幾らホラーでも、最低限の合理性を欠いている作品は
ダメダメである。

例えて言えば、〔13日の金曜日〕のシリーズで
『ジェイソン』が不可能な場所(人が入れない様な、戸棚の中、とか)から、
いきなり出てくれば、それはさすがに驚くが、そこには何の工夫も無く、
鬼面人を驚かすだけに堕し、衰退して行くわけだ。


で、本作。

なぜ「現象」が起きる様になったのか?
なぜ「いないもの」を作ることで、それが無くなるのか?
また、そのことにどうやって辿り着いたのか?
についての経緯が十全に説明されておらず、
やや不完全燃焼なのと、
記憶だけでなく、物理的な側面も変成されてしまうことには
若干の違和感が残る。

「ホラーだからいいじゃん」と言った考え方もあるかもしれないが、
ここでの合理的な、納得できる描写は必須であると考える。


原作は未読だが、
読んだ人から聞くとかなり手の込んだ構造になっているらしい。
なので、映画化にあたっては、相当の単純化と変更が成されているのだろう。
先に挙げた不満の遠因は、そこいら辺にあるのかもしれない。

それでも、(多分)原作が持っている不気味さは、十分に再現できているのではないか。
特に「PG12」だけあって、殺人のシーンはグロいし、意匠が凝らされている。
それ以外は、あまりホラーの趣きではなく、フツーに最後まで鑑賞でき、
加えて仕上がりも、さほど悪い訳では無い、
伏線もきちんと張られているし。


しかし、不思議と、心が魅かれる一作なのだね。
激賞できはしないけれど。

今年に入って観た映画の中では、
観返したいトップなのだ。