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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

森村泰昌展@資生堂ギャラリー 2013年10月12日(土)

サブタイトルは「ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る」。

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本展で『森村泰昌』が取り上げるのは
『ベラスケス』の名画〔ラス・メニーナス〕。

当該画の分析は至る処でされているので、
先ずそれを頭に叩き込んだ上での鑑賞が
面白みを増すための一つのポイント。


ギャラリーへと下る階段の踊り場には
一枚の写真が懸架され、
一瞬何の変哲もない同作の縮小版とも取れるが、
よくよく観れば・・・・。
この瞬間から我々は『森村泰昌』の物語世界に取り込まれてしまっている。


元々が、彼我の差や、現実と虚構の差、
更には描かれている人物と鑑賞者の関係も曖昧な作品を、
ひと手間かけることで、より複層的な空間を持った作品へと
変容させている。


作者本人が原作中の登場人物に成り切るのは、
『森村』の従来通りの手法。
しかし、ここでは一歩進んで、
画の中と外の世界を、人物達は自由に往還する。

原作が持つ境界性の曖昧さが
ここで生きて来る。


会場内には、実物大の『マルガリータ王女』と「侍女」
のフィギュアも置かれているが、
その両方がかなり奇矯なカタチに見える。


それと〔ラス・メニーナス〕、
実際はこんなに大きな作品だったのね。


会期は~12月25日(水)まで。