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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ラッシュ/プライドと友情【吹替】@109シネマズ木場 2014年2月10日(月)

またまた「吹替え」での鑑賞と相成った。
都合の良い時間と上映のタイミングが合わない故だが、
加えて
席数124の【シアター7】は「プレミアムシート」が用意されていない為、
二重に悲しい。

入りは、二十人程度と
こちらもちと寂しい。

男女はほぼ半々。
やや高齢にふれている客層。


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1976年のF1グランプリ。
ジェームス・ハント(クリス・ヘムズワース)』と『ニキ・ラウダ(ダニエル・ブリュール)』
の激しいチャンピオン争いの模様を軸に、
二人の公私に渡る強い鬩ぎ合いが、
しかし一種の爽やかさをもって描かれる。

『ラウダ』と『ハント』はまさに水と油。
片や紳士然とし、方や破天荒。
レースに臨む態度も対極的だ。

が、その闘争本能自体は攻撃的で揺るぎない。
特に『ラウダ』のそういった側面が随所で開陳される。

F3時代から互いを認めるライバルであり、
しかし、ドライビングについては唯一の
リスペクトできる存在であったことが示される幾つかのエピソードは
真偽のほどは判らないが、上手く挟み込まれている。


また、『ラウダ』が瀕死の重傷を負った後、
僅か一ヶ月半でレースに復帰する一連の流れや
『ハント』が初のチャンピオンに輝くシークエンスは
知識として知ってはいても、目の前でそれを展開されれば、
思わず涙ぐんでしまう。


レースシーンを迫力あるものにするために
その周辺部も意図的にドキュメンタリーに近い表現で
撮られたのは必然だろうが、逆に迫真性と、
二人の主人公に対して感情が移入できる効果をも生んでいる。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。

それにしても
取って付けた様な日本語の副題〔プライドと友情〕は
客寄せのためのあざといキャッチにしか見えず、
あまりにもカッコ悪い。
是非、外して欲しい。

また、吹替えの人選は正鵠だろうか。
本編エンドロール後の、日本語吹き替えのスタッフロール、
タイアップ曲のPVの上映。
話題作りや売らんかなの姿勢が見え見えで、
作品へのリスペクトはどうなんだろう。