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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

狩野派以外も大賑わい@板橋区立美術館 2013年3月3日(日)

前回訪問時のこの催しが余りにも素晴らしかったので、
本日もわくわくしながら、片道一時間半の旅程も苦にならず
施設がある公園の前に着くと、
何と!こんな行事が開催されている。

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あちゃ~。

この寒さのせいで、梅なんてまだ
二~三分咲だとゆ~のに。
やはり、桃の節句を意識してことだろうか。

こ~ゆ~ことがあると、
普段縁のない人達が
無為に流れて来て、
混雑と共に喧騒が起きるから
辛いんだよねぇ。


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で、場内は案の定、
鑑賞に適した雰囲気とは言い難い。


総点数は四十八。
掛け軸の類が殆どなので、
物量は感じない。

また、『雪村・文晁・守一』と言った
大所の作品が多い訳では無い。

副題のこんなものまであったんだ!?
で判る様に、意外な、または認知度の低い画家の作品が大半となっている。

勿論、『雪村』の〔布袋図〕は
小品ながら、その飄々とした躍動感が
軽やかな線で描かれている。

また、『啓孫』の〔達磨図〕は
太い荒々しい線で、謹厳な大師が描かれ、
並んだ両者は対照的だ。

これらが順路の先頭に置かれているので
いやが上にも期待は高まる。


しかし、全体として見た時には、
コンセプトがブレている感もアリ、
例えば『谷文二』の〔柳ニ白鷺図〕。
解説にも有る通り、
なんだかとっても下手なんですけど。
『文晁』の息子らしいのだが、
才能は必ずしも遺伝するわけじゃないのね。

同様に『谷文中』の〔梅下双鶏図〕も
鶏にキレや力強さが無い。

そんな中でも
『島琴陵』の〔龍虎図〕は
嵐の中の龍と、それに併せた梅の表現が、
嘗て無い面白み。


また、十点ほどが纏まって並んでいる
『柴田是真』の作品群はことのほか上出来で、
〔花瓶梅図漆絵〕はどう見ても板に直接描かれているとしか見えないのに、
紙の上に漆を盛り上げて描かれている、一種、騙し絵の体裁。
素晴しい。
この技術は、直に観ないと(多分)伝わらない。


そんあなこんなで、興奮とがっかりが
妙に入り混じった展覧会
(あれ、ひょっとすると学芸員の思惑通りなのか?)。
無料なので、許せちゃう側面もあるんだけど。
会期は~3月24日(日)まで。


会場内は写真撮影可となっていて、
全部の作品を撮るため(だけ?)の来場者も居た様だが・・・・。

ちなみに、先に挙げた〔花瓶梅図漆絵〕は
これなんですが、
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この程度の写真と解説じゃあ、
ホンモノの持つ凄みは
判らないかと。