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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

まほろ駅前多田便利軒@109シネマズ川崎 2011年5月1日(日)

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89席の【シアター8】は、
ほぼ全席が埋まっている盛況ぶり。

原作の人気によるものか、
はたまた主演男優二人によるものか・・・・。


何れにしろ、自分にとっては、
これが、初『しをん』さま体験であったのだが、
原作小説のある映画を観るのは、
随分と久し振り。

漫画の映画化は多く観ていて、
こちらはビジュアルが原作に規定される側面が大。
一方、小説のそれは、自分のイメージを極大化できて、
それが個々人によって「違う」「違わない」の勝手な解釈に繋がるわけだ。

予告編の出演者リストを見ただけで、
そこそこ配役が想定できるほど、
本作は役者が嵌まっている。

ただ、主演の二人だけは、
若干、若い感じかな。
作中の会話も含めて、
監督は、若い時の『松田優作』を『行天』に
重ね合わせていたのでは?と
感じさせる、オマージュ的台詞もあるし。


映画は、「まほろ駅前」で「便利屋」を営む
『多田啓介(瑛太) 』が中学の同級生である
『行天春彦(松田龍平) 』を”拾う”場面から始まるわけだが、
全六章、三百頁強の連作中編を、こんなペースで
見せていて、全て出し切れるのだろうか、と心配していたら、
それは杞憂。

ゆったりした語り口ながら、原作を上手く刈り込み、
僅かながらの肉付けも施し、
しかも、それによって、
繋がった短編を読んでいた時は気付かなかった側面を、
表出させている。


長編四作目の『大森立嗣』。
かなりの腕前を感じるし、
この調子で続編の製作も
アリなのではないだろうか。