RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

悪の教典@109シネマズ川崎 2012年11月10日(土)

席数317の【シアター6】は
所々に空き席が散見される八割方の入り。
公開初日にしては、ちょっと寂しいかもしれない。

客層は、比較的年齢の若いカップルが多い。
ま、若いと言っても「R15+」なので、
学生らしい姿は見掛けないけど。

イメージ 1


原作は2011年の「このミス」1位を取った
衝撃的なモチーフの小説。


高校の英語教師『蓮実聖司(伊藤英明)』は
同僚の教師達からも信頼され、
生徒からは『ハスミン』と呼ばれ慕われる
理想的な人物ながら、
一方、シリアルキラーの裏の顔を持つサイコパス
彼の周辺には、常に死の影が付いて回る。


映画は、『蓮実』の日常生活と
その周りで連続して起こる
不可解な「死」について、が淡々と
描写される。

それは、彼の態度同様、
感情がとことん排除された
冷徹な眼差しである。

物語は、やがて校内での大量殺戮へと
突進していくのだが、
そうなっても、基本的なスタンスは変わらない。


これでもそうであった様に、
本作でも「なぜ」とか「どうして」と言った理由付けは
一切が排除され、
行為としての殺人だけが粛々と繰り返される。

ただ、先に挙げた映画よりも好ましさを感じるのは、
妙に高尚ぶらずに、殺戮を正面から撮りきったことだろう。


伊藤英明』が冷徹な不気味さを
持つ主人公を好演している。


唯一、感情に近い発露が見えるシーンでは
時計じかけのオレンジ〕での『アレックス』を
ふと想起し、
場の設定は〔ハロウィン〕を思い出してしまったよ。