RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

第3回恵比寿映像祭@東京写真美術館 2011年2月26日(土)

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今回が三回目となる本展の
副題は「デイドリーム ビリーバー!!」

過去二回よりも映像作品主体であることを
より前面に出し、出展数は少ないものの、
その分、一人当たりの密度は濃い。
また、かなり分かり易い表現者を選んだことで、
嘗て無い、取っ付き易く良質な展示会となった。

例年に比べ来場者数は少なく、
映写スペースがたっぷりと取られていることもあり、
フラストレーションを感ぜずに、各展示に没入できる
(それでも、後から来たのに、
人とスクリーンの間に、ぬぼ~~っと割って入る馬鹿は
居るんだけどさ)。


『ダニエル・クルックス』の〔スタティック No.12(動きのなかに静寂を求む)〕
閑静な住宅の前の庭。
小鳥が飛来し囀っている。
一人の老爺が太極拳の演武を行っている。
と、分身の術のように彼のカラダから、
残像ともつかないものが流れ出し、
画面の反対端で像を結び定着する。
右から左へ、静止した動きが流れ
徐々にではあるが奔流となり、
やがては、全ての像が横縞になってしまう。
最初、背景はそのままに、人物の動きだけが
流れて行く不思議な空間。
〔スタティック No.11(走る男)〕では同様の手法で
ランニングマシーンの上を走る男が、
引き伸ばされて行く。

〔ミルク・クラウン〕であまりにも有名な
『ハロルド・ユージーン・エジャートン』の、同作品と共に、
30口径の弾丸が電球を打ち抜く様子を四コマに纏めた、
〔電球の死・連作〕。
極めて素晴しい。

『スーパーフレックス』の〔マクドナルド浸水〕は
(おそらく)縮小再現した『マクドナルド』の店内に
意味も無く水が流れ込み、
やがて全てが水没してしまう20分の作品。
「えっ。どうなるの?どうなるの?」と最後まで観てしまう、
ある意味ずるい作り。
しかし、レジやネオンが水でショートしたりの、
細かい芸も組み込まれ、思わず感動の声をあげてしまう。

『ハルン・ファロッキ』の『シリアス・ゲーム』は
アメリカ軍が軍事目的で使用しているシュミレーション・ゲームを
片面では開発者がプレゼンし、もう片面では兵士達がノートPCで
プレイしている映像。
でも、これが〔グランド・セフト・オート〕の画面そっくりなんだわ。
笑っちゃうでしょ。

『ツァオ・フェイ』は『資生堂ギャラリー』でも観た
〔RMBシティ〕のシリーズ。


などなど、さあっと観ても、ゆうに一時間半は掛かってしまう。
現実的な行程は、半日かな。
でも、無料だし、飲食店は近隣にあるしで、
問題無く楽しめます。