RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

偉大なる、しゅららぼん@109シネマズ木場 2014年3月10日(月)

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封切り三日目。

席数141の【シアター5】の入りは十人程度とかなり寂しい。

ま、平日の昼下がり、
いくら「109シネマズの日」と言っても、こんなもんだろうな。



古来から琵琶湖周辺に住み着き
湖の神から不思議な力を授けられた
『日の出』と『棗』の二つの一族。

両家の対立は現在でも続き、
当初はそれを軸に、オハナシは進行する。
が、中途、予想もしない乱入者が現れたことから
事態は混迷の度合いを深めて行く。


『万城目』作品は、
あいも変わらず細かい仕掛けが利いている。
両家の操れる力が夫々異なる、とか
両家同士では術が効かない、とか
術が使われる時には(他の術士には)大きな音が聞こえる、とか
琵琶湖を離れるとその力は使えない、とか
術士としての資質やそれを増幅させるための儀式の存在、とか
一族に特有の名前の付け方、とか。

それらが全て一連の布石となって最後の大団円に反映される。
勿論、一つ一つのエピソードの積み上げにも
色濃く見え、小さな山が幾つも並ぶ楽しさもある。


物語は『日の出』の分家出身ではあるものの
術士としての素養が高い『涼介(岡田将生)』が本家を訪れる場面から始まる。

その後、本家の跡継ぎでかなりエキセントリックな『淡十郎(濱田岳)』や
『清子(深田恭子)』、やはり分家筋の『濤子(貫地谷しほり)』との絡み、
更には敵対する『棗』家の次期当主『広海(渡辺大)』との諍いもあり、
いったいどのように収斂されるのか、予想もつかない。

が、あることのきっかけに流れは急転直下、突然
激しく動き出す。

ただ、この節目となるエピソードが、最初はそれとは気づかず、
後になって「成る程ね」と感心できる内容ではあるものの、
仔細に反芻すると、辻褄の合わない箇所も散見され、
それは原作からのものか、脚本の瑕疵なのかは
判然としないが。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。


鴨川ホルモー〕や〔プリンセス・トヨトミ〕がそうであった様に、
虚と実、神話と実話、過去と現代を縦横に組み合わせ、
ホントは有り得ないのに、もしかすると・・・・、と思わせる
手管がホントに上手いと感心する。

ただ、主役級は皆、歳が行っており、
高校一年生を演じるにはかなり苦しいが、
ま、ご愛嬌、と言ったところか。