RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

日本の70年代 1968-1982@埼玉県立近代美術館 2012年10月28日(日)

一般の入場料が千円なのに加え
往復の交通費で更に千円かかることで逡巡していたのだが、
某日、ディスカウンターで400円で販売されているのを発見し
即購入。

こ~ゆ~のを、天佑ってゆ~んだなしめしめと、
訪問日を狙う。

当日の予報は、
午後からは荒天。

これならば、大した混雑はあるまいと、
北浦和駅西口】に降り立つ。

ロータリーの正面には、
こんもりと木が茂り、
この先に当該館が在る筈だが・・・・。

イメージ 1

大きな看板の脇に案内版。

イメージ 2

やがてコンクリート造りの
モダンな建物が見えて来る。
HPに有る通り、
やや、迂回をする必要はあるものの、
駅からは約三分の行程。


館内は思いの外、人が多い。
しかも、自分の歳以上の
高齢者の影が濃い。

確かに彼らにとっては
当該年代はまさに青春真っ盛り
だもんねぇ。


展示内容は正直言って、雑多。
それは、扱っている時代そのものに由来すると思う。

例えば会場内に設営されている
「70年代の大学生の部屋を再現した」アトラクション。

これを自分に置き換えてみると、どうだろう。
70年代初頭は小学生だった。
末には大学生になっている。
少年マガジン」→「プレイボーイ」→「GORO」と
主に読む雑誌も変遷するのだが、
環境も含め激しい変化が伴っている。

それが一か所に、恰も、そこに在って当然の様に
詰め込まれている。
違和感を感じる理由はそこにある。
勿論、象徴的な年が設定されているとしても、だ。


ただ全体的には、並べられている物品は
二重の意味のノスタルジーを纏っている。

自分が若かった頃の記憶であり、
少し前に別の展来会で観た記憶。

それらが、ポスター・雑誌・LPのジャケット等から
自ずと想起される。

そうそう、こ~ゆ~のあったよね。
これを見て(聞いて)いた時は、こんなだったよねと、
自分以外でも、
魅入る客達の背中が、自ずと語っているようだ。

少し、鼻の奥が、ツンと来る様な空間だ。


しかし、こ~ゆ~美術館に来て
つくづく思うのは、
自分の様な遠路来る好事家と、
地元の人達がふらりと訪れる場合の
反応の妙。
これは明確に違うからね。

展示内容への反応を
脇から覗うのも
なかなかオモシロかったりする。


会期は~11月11日(日)まで。


また、同時開催として、

2012 MOMASコレクション 第3期
来年の~1月20日(日)迄で、
これが、侮れない展示内容。

人気投票で上位に選ばれた「コレクション名作選」と
寄贈作品をベースにした「コレクターの眼」。

前者では、
現代美術のセクションでは、
『上田薫』の〔ジェリーにスプーンC〕とか
『ヘスス・ラファエルソト』の〔黒のT〕とか。
近代美術でも『モネ』『ルノワール』『ルオー』『ピカソ
等の日本人好みの作家が並べられ、
更には
『バウキン』の〔眠る裸女〕
『フジタ』の〔横たわる裸婦と猫〕
も懸架され、望外の収穫。
日本画では
『深水』の〔宵〕
『桂月』の〔春宵花影〕
が素晴らしい。

後者では
『堂本印象』の〔鳥言長者草〕
かな、やはり。

こういった作品群を、
規定の料金内で鑑賞できる環境は
ホントに有り難い。

ただ、一方で、地方との格差を
痛感する瞬間でもあるんだけど。