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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

藤田嗣治と愛書都市パリ@渋谷区立松濤美術館 2012年8月18日(日)

サブタイトルには-花ひらく挿絵本の世紀-
とある。

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子供好きであり、子供等をモチーフにした作品も多い『フジタ』だから
「絵本」に手を染めていても不思議ではない。

しかし、ここに置かれているのは、その範疇に留まらない、
相当に広範囲な書物群である。

〔エロスの愉しみ〕〔嫉妬の詩〕〔インドシナ詩集〕。
等のタイトルからも判るように、
実は、挿「絵本」ではなく、「挿絵」本、なのだ。
なので、何処を取っても『フジタ』らしさが横溢している。

地階のメイン会場では、彼の手になる挿絵の各種原本
及び原画が展示されている。

おまけに、今回は、〔裸婦と猫〕〔雪〕〔青春〕等の
画も数点展示されているのが、更に嬉しい。


二階は、稀覯本のオンパレード。

ピカソ』が挿絵を寄せた『バルザック』の〔知られざる傑作〕。
『ラディゲ』の〔肉体の悪魔〕などなど、
マニアなら垂涎だろう古書を
うらわ美術館』『北海道立近代美術館』等から、
逐次、渉猟している。


本音を言うと、たいして期待していなかったのだが、
望外の儲けモノ。

一般の入場料300円だけで、これほど充実した刻を過ごせるとは
思いもしなかった。

会期は~9月9日(日)まで。