RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

スター・トレック イントゥ・ダークネス@品川プリンスシネマ 2013年9月16日(月)

台風一過。

とは言うものの、風はまだ強く曇天。
品川駅前も日頃の賑わいにはちと遠い。

そんな中でも、荒天の間隙を縫って、
娯楽を求め出張る人がそこそこいるのは
まずまず驚き(ま、自分も、その中の一人だけど・・・・)。

上映館の【シアター7】の席数は96(プレミアム館)。

客の入りは五割程度と、少々寂しい。

しかし、封切り一ヶ月になろうとしているし、
加えて、この天候の下では上々の部類か。

客層は幅広いのだが、
男女、または女性連れが圧倒的に多く、
観終わって見れば、成る程と
深く頷ける。


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トレッキー」かと聞かれれば、
スター・ウォーズ」が好きですと、迷わずに答える。

でも幼少のみぎりは、
夏休みに集中して放送される「宇宙大作戦」を
必ず見ていた(勿論、「原子力潜水艦シービュー号」「謎の円盤UFO」も)。

その中でも「エンタープライズ号」がフィーチャーされた当該作は、
感情を極力排した副長の『Mr.スポック』に比して、
より責任の重い艦長の『カーク』はとっても女好き、
その色香に惑わされて、直ぐ全乗組員を窮地に追い込んでしまう。
しかし、その人間臭さに、
幼心にも随分とシンパシーを覚えた記憶がある。


で、本作。
設定としては〔宇宙大作戦〕の前日譚の装い。

回帰と言うコトだろうか、原典の人物像を忠実に、
更には最近ハリウッドで流行の、
ヒーローの心の襞や懊悩をきっちり描く手法を踏襲し
それが故に、過去作品よりも
数段優れた出来。

『カーク』と『スポック』の信頼構築の経緯、
または『Dr.マッコイ』との関係の強さの描写、
そして、他のクルーとの絆も、
各々のエピソードを通し丁寧に描かれる。


SFXを駆使したシーンよりも、
寧ろ、人間達が生身で向き合うシークエンスにこそ、
本質が詰まっている。

それは、仇敵となる
『カジョン・ハリソン(ベネディクト・カンバーバッチ)』が随分と
魅力的に性格付けされていることの影響も大だろう。


終映後に、近くに座っていた女子高生の二人連れが、
「もう泣けて泣けて、涙が止まらなかった」と話していたように、
とっても心の琴線にふれる仕上がりとなっている。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。

映画化第一作の〔スタートレック〕は、
かなり最初にネタが割れてしまうのと
付喪神に近い思想は、日本のお家芸だろうとのウラミもあり、
その後の作品は観ていない。

周囲の評判も良く、久し振りに鑑賞した今回は
オオアタリ。

観に来て良かったと、お金の対価が有ったと、
シミジミと感じられた一作。


エンドロールでは『レナード・ニモイ』だけが
別枠でクレジットされている。
シリーズの長老であるし、
もう82歳だものねぇ
(あ、『ウィリアム・シャトナー』も同年齢か・・・・)。