RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

崖っぷちの男@109シネマズ川崎 2012年7月19日(木)

席数72の【シアター10】での入場者数は、
二十名弱と、かなり淋しい感じ。

が、たいした本数ではないものの、
今年に入って観た中では屈指の出来。

これを見逃したら、
絶対後悔する、とまで言い切ってしまう。

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ニューヨークの目抜き通りの高級ホテル
ルーズベルト」に『ウォーカー』という男が投宿する。

豪華な食事を終えた彼は、
21階の部屋の窓から身を乗り出し、
飛び降り自殺を示唆する振る舞いを始める。

それに気付いた群集が騒ぎ始め、
駆け付けた警察も交渉を始める。

『ウォーカー』の行為には、何か裏と目的が有る様だ。


昨年の〔アンストッパブル〕もそうだったのだが、
ワンアイディアでこれだけの力技を撮り切ってしまう。
矢張り、ハリウッドの底力は、
まだまだ侮れない。


全てのシュチュエーションは綿密に計算され、
伏線が細かく張られている。

全ての人物には、その存在理由が割り振られ、
一人として、無駄な登場は無い。

高さという物理的な恐怖に、
併行して進行するサスペンスが加えられ、
我々は、二重三重に、ドキドキしながら
固唾を呑んで画面を観続ける。


多少の粗や、ご都合主義的な箇所は散見されるものの、
全体を覆う疾走感と、最後まで続く緊張感に較べれば
小さな瑕疵に過ぎない。

ストーリーを書くだけでもネタバレになってしまう微妙な作品なので
詳細な言及はできないが、
インサイド・マン〕を彷彿とさせる、
”裏”のある快作である。