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モダン・アート,アメリカン@国立新美術館 2011年11月20日(日)

ディスカウンターでのチケット売価は、
当然のことながら、その展示会の人気の度合いによって決定される。

また、会期当初は高値が付けられ、
末になるに従い、値は下がって行く。
途中でSOLDOUTになる場合もあるから
見極めが必要だ。

開始直後は不人気案件であっても、
途中TVで取り上げられるなどして
急遽人気物件になるものもあり(EX.“ハンマースホイ”)
なかなか侮れない。

当該展は、会期末まで一ヶ月もありながら、
一般の入場料1,500円に対し、
平均売価は700円ほど。
が、それが300円で売られているのを見れば、
ソッコー買ってしまうだろう。

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で、当日も、絶対に空いているだろうと、
かなり軽~~い気持ちで出かければ、
場内は想定通りの空き空き状態。
ゆるりと鑑賞するには理想の環境だ。

考えて見れば
「 ―珠玉のフィリップス・コレクション―展」という副題は良いにしろ、
メインタイトルの「モダンアート」が、事前にひかれる要因か。
加えて、実際の展示百点強の内、半数以上が抽象画と来れば、
不人気なのも頷ける。
これと言った目玉も見当たらないしな。


とは言うものの、見所は各種あるわけで、
例えば、『ホッパー』の〔日曜日〕。
製作は1926年。
時は、折りしも大恐慌へ向かう途上。
人気の無い商店街のデッキで男が独り座り込む。
ショーウインドーには展示物も見当たらない。
中央下に配された男は、周りの建物の寸法から比しても
意図的に小さく描かれ、我々が感じ取るのは
言いようの無い閉塞感。

また、同じ作者の〔都会に近づく〕。製作は1946年。
大戦の勝利気分は何処へやら、
大都会にはビルが林立し、青い空も微かに見える程度。
ビルは次第に高く、色はくすんで行く。
線路の先に見えるのは、ただ暗渠。
そこには孤独感しかない。

それ以外にも、
『ホイッスラー』の〔リリアン・ウォーケス〕、
『トマス・エイキンズ』の〔アメリア・ヴァン・ヒューレン〕、
オキーフ』の〔ランチョス教会、NO.2、ニューメキシコ〕、
『スローン』の〔化粧をする道化師〕、
『デュ・ボワ』の〔青い肘掛椅子〕、
『クーン』の〔羽飾り〕、
等など。

あれ、結構上質なんじゃ・・・・。