RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

平成21年度第33回 東京五美術大学連合卒業・修了制作展@国立新美術館 2010年2月21日(日)

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東京造形大学』『日本大学藝術学部』『武蔵野美術大学』『多摩美術大学』『女子美術大学』の
五大学による絵画・彫刻系の合同卒業・修了制作展。

28日までの展示は入場料無料。

国立新美術館】1F~2Fの計六展示室の内、四室を利用しているだけあって、
兎に角途方も無い量。
縁故に加えてここから流れて来る人もいて、
場内はなかなかの混雑。


最初はじっくりと各作品を眺めていたのだが、
これでは幾ら時間があっても足りないことに気づき、
途中からは、ゆるゆる歩きながら、
気に入った作品を仔細に観る方式に変更する。

『菅野静香』の〔うしろのしょうめん〕~『女子美
貴女の作品に、こんな所で逢えるとは。望外の喜び。
九人の少女が輪になり戯れている。
お約束の肌の色、子細な服装の白い文様。蝶が舞う。
彼女達が踏みつけている花からは、蔦が伸び、
足に絡み付いている。
どれ程の時間、こうして或るのだろう。
筋肉の皺が肉感に成り、存在感を際立たせる。
227×364の大作なのも嬉しい。

『斉藤沙紀』の〔contrast〕二品~『多摩美
鉛筆で描かれた細密画。
女性の顔貌が何れも好ましい。

『内田安希奈』の〔少しづつ死んでゆく世界〕~『武蔵美
ノート大の紙に描かれた少女達。
イラストのように鉛筆で描かれ、絵の具で彩色。
様々な姿態は、今にも途切れてしまいそう危うさを孕む。
以前、『龍口経太』が【SPIRAL】で、
同様の展示をしていたのを思い出した。

『小坂井理恵』の〔帰宅酔美人図〕~『武蔵美
酔って帰宅し、倒れこんだ女性の、
黒い服、黒い髪。赤いマニキュアとぶら下がる赤いハイヒール。
鮮やかな色彩の対比。
色んな背景が想像できてしまう。

『野口由里子』の〔異教の神殿〕~『日芸
純白の粘度で作成された女神像。
角を生やし、僅かに下を向き佇んでいる。異教というより異形。
しかしその面立ちは、厳しさの中に、何処か優しげ

『小林則之』の〔龍頭観音像〕~『造形大』
どストレートな木彫りの龍。
カラダをくねらせ、大きく口を開け吼える。
飛び出す刹那の凶暴さを秘めた力強い造形。

気に入った作品を幾つか挙げたが、まだまだ
こんなものでは無い。
再訪、最再訪に値する展示内容。