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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

日本の美・発見I 水墨画の輝き ―雪舟・等伯から鉄斎まで―@出光美術館 2009年5月24日(日)

事前にチケットを入手できなかったので、たまたま手元に有った割引券で入場。
料金は200円引きの800円。

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中はそこそこの混雑。日曜の午後にしては空いているほうかな。

室町時代の掛け軸から始まって、大作の屏風へ、
途中焼き物をはさみ、『鉄斎』の掛け軸で終わる
全四部の構成。

宮本武蔵』の〔竹雀図〕
画面の右側に竹、そこに雀がとまっている。左側は大きな余白。
しかし、この雀、眼光が鋭い。まるで猛禽のようにねめつけている。
地面の獲物を狙っているのだろうか。
凶暴さを秘めた気迫が、小さい体から発散されている。
道家が描くと、小鳥もこんなになるのか!

長谷川等伯』の〔竹鶴図屏風〕
成る程〔松林図〕に近い描写だ。ぼやっとした霧の中だろうか、
遠景には仄かに竹林が浮かぶ。
近景は、はっきりした描写が、淡い彩色に次第に消えていく。
これを観ると、〔松林図〕の未完成説ってど~よ?と思えてしまう。

狩野探幽』の〔叭々鳥・小禽図屏風〕
六曲一双の大作。烏や小鳥がそこかしこに戯れている。
細密さは一切無く、全てがざっくりとした描写。
しかしなまじ細かく描かれるよりも、鳥らしい。
すんごい力量だったんだな、本当に。

葛飾北斎』の〔亀と蟹図〕
輪郭は一切無く、”たらし込み”と濃淡で表現されている。
これも驚きの一品。亀は兎も角、こんなに小さい蟹もこの手法で描写するなんて。

『鈴木其一』の〔雑画巻〕
極彩色でない『其一』。しかし伸び伸びとした線の描写を観るには、
水墨の方が良いな。

俵屋宗達』の〔鐘離権図〕
風に吹かれる服の裾の、丸い線の膨らが素晴しいなあ。

尾形光琳』の〔蹴鞠布袋図〕
これも布袋の腹のまあるい線の膨らむ描写が素晴しい。
トレードマークの袋を脇に置いて、本当に楽しそうに
布袋様が鞠を追っている。


全41点の展示。
ビックネームだけ追っても、かなり楽しめる展示会だ。