封切り三週目。
席数89の【シアター8】の入りは六割程度。
熟年の夫婦連れが、圧倒的に多し。
熟年の夫婦連れが、圧倒的に多し。
その条件とは、七年前に主君の側室と密通し、
しかし家譜の編纂を単独で受け持っていたため、
その完成までは切腹をお預けとなっている『戸田秋谷(役所広司)』の監視、及び
藩にとって不都合な事実が記載されないかの確認。
しかし家譜の編纂を単独で受け持っていたため、
その完成までは切腹をお預けとなっている『戸田秋谷(役所広司)』の監視、及び
藩にとって不都合な事実が記載されないかの確認。
が、『秋谷』やその家族と過ごし、
その人となりに触れるに連れ、
世に言われている事件がまことのことなのかすら
確信が持てなくなる。
その人となりに触れるに連れ、
世に言われている事件がまことのことなのかすら
確信が持てなくなる。
期限の十年は、刻々と迫って来ていた。
この類の時代劇にありがちな
美しい日本の四季や土地に根付いた風習を背景に、
物語は淡々と描写される。
美しい日本の四季や土地に根付いた風習を背景に、
物語は淡々と描写される。
次第に『秋谷』に心酔していく『庄三郎』の態度は自然であるし、
事件から十年後の切腹という意外さに満ちた仕掛けや、
幾つか張られた伏線とその謎解きも、
観終われば、すとんと腑に落ちる仕立てになっている。
事件から十年後の切腹という意外さに満ちた仕掛けや、
幾つか張られた伏線とその謎解きも、
観終われば、すとんと腑に落ちる仕立てになっている。
不義密通はホントに有ったのか、との最大の謎を縦糸に
農民と郡代との争いや、藩内の諍い、そして
『庄三郎』と『戸田』家の人々の関係を横糸に、
二時間強の尺を使い、細やかに
そして静かに織り上げられていく一反の布地のようだ。
農民と郡代との争いや、藩内の諍い、そして
『庄三郎』と『戸田』家の人々の関係を横糸に、
二時間強の尺を使い、細やかに
そして静かに織り上げられていく一反の布地のようだ。
登場人物達の所作も美しいし。
評価は☆五点満点で☆☆☆☆。
理不尽に耐え忍び
お家のために忍従する姿に対しては、
どうにも違和感が消えない。
お家のために忍従する姿に対しては、
どうにも違和感が消えない。
滅私が美徳であり、
修身がベストであるような言説には、
正直鼻白んでしまい美しさは感じないのだが・・・・。
修身がベストであるような言説には、
正直鼻白んでしまい美しさは感じないのだが・・・・。