RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

インセプション@109シネマズ川崎 2010年8月19日(木)

夏休みの最中、加えて「会員感謝の日」ということで、
席数89と小さい【シアター8】は、あっさりと満席。
思いの外、中・高生と見受けられる年齢が多いが、
ど~ゆ~ことなんだろう?

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クリストファー・ノーラン』の新作。
前作は言わずと知れた〔ダークナイト〕。
そちらでは『ジョーカー』がゾンビーの様に
しつこく現われたが、本作で繰り返し現われるのは、
〔007〕や〔スパイ大作戦(ミッション・インポッシブル)〕等で観た
数々の場面。
さながら、監督の過去の映像記憶のコラージュ、
といった趣きだ。


夢の中に進入し、その主体のアイディアを盗むことを生業にしている
『コブ(レオナルド・ディカプリオ )』が新たに請け負ったのは、
逆に記憶を植えつける(インセプション)ことだった。
『コブ』はチームを集め、困難な仕事に挑む。


時間旅行モノの映画を観る時に、常に感じる「タイムパラドクス」だが、
ここでは「レイヤーパラドクス」とでも言おうか、
階層間での矛盾が激しく表出している。
胡蝶の夢」が重層的に発生しているような。

従って、深~~く考えると、脚本の破綻だけが気になり、
ストーリーに追いついて行けなくなる。
主体と客体が作り手の都合で易々と入れ替わってしまうので、
首尾に一貫性が無い。
例えば、「夢なんだから、こっちも”影”を創れよ」と
思ってしまうわけだ。

夢を扱った作品であれば、『筒井康隆』の〔パプリカ〕という秀作が
(勿論、それを原作とした映画も)あるし、
前述のように既視感のある場面も多いから、
監督の独自性や手腕が十二分に発揮された作品とは言いがたい。

なので、ここでは何も考えずに、
大掛かりなCGと、派手はアクションの流れる画面に
身を任せるのが吉。
そうすれば、ハラハラ・ドキドキ。
最後にはカタルシスを感じる、二時間強が約束される。