封切り三日目。
席数138の【CINE 3】の入りは八割程度。
「R15+」だけあって、客層は高齢に振れ、
おまけに単身での来場が多いのも特徴か。
「R15+」だけあって、客層は高齢に振れ、
おまけに単身での来場が多いのも特徴か。
そこで起きたアッパークラスの白人少女の殺人事件を
二人の刑事が追う。
二人の刑事が追う。
もう一人は『ブライアン・エプキン(オーランド・ブルーム)』。
しかし、この二人とも、
家庭生活では問題を抱えている。
家庭生活では問題を抱えている。
『アリ』は幼少の頃の黒人迫害の後遺症を抱え、『ブライアン』は
その放埓な生活がたたり、妻からは三行半を突き付けられ、
子供からは親とも言えない扱いを受ける。
その放埓な生活がたたり、妻からは三行半を突き付けられ、
子供からは親とも言えない扱いを受ける。
物語りは二人の裏の側面も、きっちりと描き出す。
少女の惨殺に向き合う彼等の周りでは、
子供達の集団疾走や麻薬の密売などの、
あまり関係の無さそうな事件が並行して起き、
やがてそれらが一本の糸に繋がって行く。
子供達の集団疾走や麻薬の密売などの、
あまり関係の無さそうな事件が並行して起き、
やがてそれらが一本の糸に繋がって行く。
しかし本作で最も心を打たれるのは、そこではない。
一見ストイックで公正にも見える『アリ』が
実は自分の”血”に抗えずにおり、
それが南アフリカが過去の歴史から完全に脱しきれない、
混沌とした状況の表象となっていいることが
きりきりするほどの痛みを持って伝わって来る。
実は自分の”血”に抗えずにおり、
それが南アフリカが過去の歴史から完全に脱しきれない、
混沌とした状況の表象となっていいることが
きりきりするほどの痛みを持って伝わって来る。
評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。