RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

オー!ファーザー@チネチッタ川崎 2014年6月1日(日)

封切り二週目。
席数407と大き目の【CINE 11】の入りは
四割程度。

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アヒルと鴨のコインロッカー〕や〔ゴールデンスランバー〕でお馴染みだしお得意、
「巻き込まれ」型の一本だが、
先の作品と比べれば格段に低レベル。
観終わってがっかりしてしまった。


高校生の『由紀夫(岡田将生)』は訳あって
四人の父親と暮らす。

その地方都市で、知事選の最中
幾つかの事件が連続して起きる。

それは身近なものから、一見すると
遠い世界の出来事に思えるものまで。
観客の側には、如何にも全てが関連しているかのように
思わせぶりたっぷりに提示される。


父親達と、クラスメイトの『多恵子(忽那汐里)』と一緒に行ったゲーセンで
バックのすり替えを目撃した『由紀夫』は
その謎を追ううちに、より大きな陰謀(そうなのか本当に?)に突き当たる。

しかし、それを知ったことで(その辺の描写も曖昧だが)、
『由紀夫』は何者かに拉致されてしまう。

そのことを察知した四人の父親達は
救出に向け動き出す。


沢山振り撒かれる謎。
それらを俯瞰する主人公は
「アームチェア・ディテクティブ」宜しく
「一つに繋がったんだ」と宣言するが、
実際には全く解決の方向性さえ掴んでおらず、
いざ正答が示されれば
あまりの肩透し具合に、眼が点になってしまう。

これはひどすぎでしょ。

敵と目される存在のキャラクターも希薄で弱すぎ。
ストーリーは分散し、収斂させる片鱗も見えない。
都合よく段取りは展開し大団円に到るのだが、
とっても消化不良だ。

やや小技の効いた仕掛けもみられるものの、
全体を通してみれば些事。
スパイス程度の軽い味わい。


評価は☆五点満点で☆☆☆。

唯一の救いは、最早二十歳を過ぎているのに
高校生を演じても無理のない『忽那汐里』の存在か。

棗型の眼をくりくりと回し、
地に近いであろう天然さを披露し素晴らしい。