RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

借りぐらしのアリエッティ@109シネマズ川崎 2010年7月19日(月)

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三連休で、封切り三日目。加えて「ジブリアニメ」と来るから
席数121の【THEATRE-3】は、あっさりとSoldOut。
客層は老若男女万遍無いが、やはり家族連れが多い。


床下に住む、小人の一族がいると言う。
確かに、日本にも昔から「コロボックル」の伝説があるのだから、
我々の目に見えないだけで、確かに存在するのかもしれない。

身の丈10cm程度のその一族は、野生生物は勿論だが、
彼らが寄生している人間の拡張も脅威。
今では、滅びつつある種族となってしまった。
ここいら辺は、例によって『宮崎駿』の文明に対する冷めた視線が見える。

タイトルの「借りぐらし」は、生活に必要なモノを人間から”借りて”
(返すことは無いのだから、要は”くすねて”)いることから付けられている。
成る程、彼らの家の殆んどの道具は、それらを再利用したもので、
使い回しのアイディアを見ているだけで楽しい。

14歳になった『アリエッティ』は、父親に連れられて、初めての”借り”
(実際は”狩り”と表現した方が正しいほどの、困難な工程)に向かう。
が、そこで、その家に療養で滞在している少年『翔』に姿をはっきりと見られてしまう。
人に姿を見られたら、その家から宿替えをしなくてはならないのが、掟だった。

少年と小人の少女の心の交流よりも、小人の生活がじっくりと丁寧に描かれる。
その描写は素晴しい。アニメで作ったドキュメンタリーのようだ。

彼との別れのシーンを含めて、実はこの映画は何も言っていない。
毒にも薬にもならない、淡々と展開される序・破・急の一編。
非常に良く練られた、ウエルメイドストーリーに終始している。