RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

蠱惑~巧術其之参@スパイラルガーデン 2012年4月8日(日)

本日が最終日だから・・・・、と
勢い込んで来てみれば、

表のポスターには、
「好評につき~13日(金)まで期間延長」
の貼り紙が・・・・。オイ。

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と、言っても、平日は来てられないしな。

また、会場内はさほどの混雑でもないので、
それなりの事情が斟酌された結果なのだろう。


お好みの作家さんでは、

『平林貴宏』の〔Potalaka〕
最近多く描かれる、銀髪に印象的な眼の大きな少女が
右手を緩やかに挙げている。
手や顔の皮膚が所々剥げている下からは、
古い仏像を思わせる質感の肌がのぞく。
近未来的なその容姿に潜む
古来の「補陀落」の対比の妙。

『龍口経太』は〔Untiteld〕
墨をおもわせる淡い水彩で描かれた
ゴスロリの少女。
静謐だ。
何をしようとして、何を考えているんだろう?
横顔からは窺い知れないが、
色々と想いを馳せてしまう。

山本タカト』は〔Emblem of Eternity〕
光背と共に描かれた二人の少女は、
共に片翼。
片方は目を見開き、片方は緩やかに閉じている。
切り開かれた胸部からはアラベスクが絡みつくように伸び、
股間の部分にある蕾は、アンドロギュヌスのそれを思わせる。
要の部分に置かれた頭蓋骨と共に、
若さや穢れが無いことへの
儚さを感じてしまう。

『諏訪敦』は新作の〔どうせ何も見えない〕と
旧作の〔Thread〕。
前者はスカルの口に中に舌を差し入れる女性。
直近のシリーズで御馴染みの造形。
しかし、不思議とエロスを感じない。
頭骨を掲げる手は、爪の具合から女性に違いはないのだが、
それにしては妙に大きい。
一方の真っ白な骨は、男性のそれにしては
妙に小さい。
多種のアンバランスが視るモノを
不思議な世界へと誘う。

後者は打ちっぱなしのコンクリートの壁の前に立つ
全裸の若い女性。
腹部には、切腹後に縫った様な、
大きな傷跡の凹み。
タイトル通りの「縫い糸」を抜糸した後にも、
大手術により「生命の糸」が、そのお陰で
続いているようにも見える。


全体を通しては、タイトル通り、惑わされ、
引き込まれてしまいそうな素晴しさだ。