RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ぬぐ絵画―日本のヌード 1880-1945@東京国立近代美術館 2011年12月4日(日)

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一般の入場料は850円だが、
HPから印刷できる割引券を持参すれば、-50円引きで入場が可能。

また、同チケットで、“所蔵作品展 「近代日本の美術」”も
入場できる有り難い余禄が付いている。

もっとも、訪問日は「常設展」が無料とのことだったがな。


タイトルがタイトルなので、さほどの混雑は無いだろうと、
天気の良い日曜の昼下がりに訪問。
想定通り、会場内は、かなりゆるゆるの人の入り。
解説文もじっくりと目を通すことが出来、
これは本展では特に有り難かった。

なんとなれば、
ただ単にハダカの作品を展示するだけでなく、
それの持つ時代的な意味や意義、
作家の工夫などが
事細かに記載されており、
製作の過程も含め、上手く理解できるように構成されているから。

また、言葉使いも、極めて俗人的。
「エロ」とか「性器」とか「陰毛」と言った単語が頻出する。
でも、これは、ハダカの作品を描写するには至極当たり前の事ながら、
それが中々出来ないでいるのが現実ではないだろうか、
特に、このような「国立」の場所では。

そういった意味で、今回のキュレーターには、
妙にシンパシーを感じてしまった。
勿論、「ヌード」と言っても、男性のそれもあるわけで、
一部、こちらの意にそぐわない作品も・・・・。


ただ、明治期から戦後直ぐまでの日本の裸体画に対するスタンス
(画壇・官憲・世評の全てに於いて)が、
三つのパートを経て、ざっくりと俯瞰できる構成は、
本年行った展覧会の中でも、1~2位にポジショニングできる好企画。
タイトルにひよらずに、行って損は無い。

ちなみに、客層ですが、女性がかなり多いです。
男性の独り客は少数派です。
また、先に挙げた「常設展」でも
連動企画で、「特集:ぬぐコレクション」として、
何時もより女性のハダカの作品が多く、
ここいら辺の気の利かせ方は嬉しい限りです。


作品的には、
黒田清輝』の〔野辺〕
甲斐庄楠音』の〔裸婦〕
あたりには、かなりくらっと来ました。
常設展でも
加山又造』の〔黒い薔薇の裸婦〕や
藤田嗣治』の〔五人の裸婦〕、
小倉遊亀』の〔浴女 その一〕は
変わらず、素晴しい。