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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

世界一高いワイン「ジェファーソン・ボトル」の酔えない事情:ベンジャミン・ウォレス~読了

ワインは好きだが、それほど知識があるわけでは無い。
日頃は千円内外のものだし、記念日の時は二千円くらいのスパークリング。
年に何回かは五千円以上のシャンパンを飲む程度。

なので、この本
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に出てくるような有名銘柄には、とんと無縁である。
〔ロマネコンティ〕〔シャトー・ディケム〕などね。

ましてやここで取り上げられているのは、更に高い”ビンテージ”もの。
おそらく一生口にすることは無いだろう。


今から220年も前に作られたワインの味なんて、想像がつくだろうか?
日本だと江戸時代。”松平定信寛政の改革”の頃ですぜ。
ビンテージなんて生易しいレベルじゃあないよね。
更に、ボトルには”Th.J.”なる刻印が・・・・。
それがアメリカの三代大統領『トマス・ジェファーソン』が当該ワインを発注した証拠だとして、
オークションでとんでも無い値段が付けられる。

ここでは、そのワインの真贋をめぐる顛末(末は多少灰色)と周辺の登場人物たち、
そしてビンテージワインのブラックマーケットの存在が語られる。

最終章はやや急ぎ過ぎた感があるのと、決末がすっきりしていない。
まだ人物の(登場人物が西洋人だけだから、覚えにくいのは、しょうがないんだけど)
名前が数十頁飛んで出てくると、キャッチアップできないうらみがある。

それでも、オークション会場の緊張感、ビンテージワインの魔力に囚われて行く人々の心の揺らぎが、
詳細に書き込まれていて面白い。
映画化も予定されているらしいけど、それも楽しみかも。