RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

布恒更科@大森:蕎麦

いや~これだけ寒さが身に滲みる季節になると、
やっぱりジビエ食べたくなるよね。

それも日本古来からの鴨。
地域によって狩猟の解禁日は異なるけど、
十二月の半ばにもなれば、もう問題ないでしょ。

それが証左に標題店、中に入れば
「鴨肉入荷しました」の貼り紙がちゃあんとあるし。

場所は【大森】と【大森海岸】の丁度中間。

店内は四人掛けのテーブルが七卓に小上がり。

18時とかなり早めの入店は、この手の業種は
看板が早いコトを見越してのうえで。

それでも、最早テーブルの空きは二卓しかなく、
小上がりはこの後、団体さんでも来るのかな。

予約なしでの訪問だったので、
ちょっとひやひやだったけど、何はともあれ座れてよかった。


先ずはビールの小瓶をオーダー、
同時に突出しが運ばれて来る。


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《切り干し大根》

シンプルな料理。味付けもさっぱり。
大根の歯触りが、既製品や家で作るモノとはちと異なり
かなりしゃきっとしている。

いや~、これだけでビール呑み切っちゃよ。
次は《八海山 普通》を熱燗で。


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《炙り小柱》

小柱はさっと炙られ、表面だけ色が変っている。
食感の対比が面白い。
下にはたっぷりの大根颪が盛られ、これが辛い辛い。
舌がじんじんして、上に添えられた山葵よりもよほど効く。
刻まれた大根の葉も散らされ、彩りも美しい。


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《玉子焼き》

うわでっかい。コミック一冊分くらいは軽くある。
そしてふわふわで、ただ持ち上げてもカタチが崩れない
上々の巻き加減。
やや甘目の出汁が効き、そして玉子の旨味もちゃんとする。


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《鶏のくわ焼き》

身が厚い。脂もたっぷり。
しっかりした噛み応えと、迸る肉汁。
甘く濃いタレにも、身の強さは全然負けてない。

添えられた葱もしっかりと焦げ目が付き、
季節らしい旨さ。

それにしても、このタレ、
あ~、白いご飯が欲しい。付けて食べたい。


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《揚げあんかけ》

内容を確認せずに《揚げ出し豆腐》の様なものかと思ってオーダー。
供された品は予想を大きく裏切るビジュアル。
上面に掛けられた餡には、肉厚の冬菇や大き目の海老が
たっぷりと入っている。

できるだけ、中が硬い内にお召し上がり下さい、
とは店の人の弁。

天地返しをしてみると、おお、揚げた蕎麦(それも太麺)が
入っている。カタ焼きソバの蕎麦版なのね。これは面白い。

最初はパリパリだが、次第に餡が染み、やわくなったものも
また乙な味。


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《季節の天麩羅 牡蠣》

牡蠣を天麩羅にして食べるのは
初めてかもしれない。

大振りな身が四個。
中はさっと火が通り、あちちちと、口の中を火傷しそうになるが
旨い旨い、まさに旬の味だ。


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《鴨のたたき》

本命の前哨戦で、ちょっと軽くイってみようかとオーダー。
これまた予想を裏切るビジュアル。

表面はかりかりで、中心には赤みが残る。
削ぎ切りにされ、上には白髪葱が盛られる。

それにしてもこの赤っぽいタレは何じゃい?
鴨の血か?と思って一枚口に入れると・・・・、
おお、洋風の味がする。

バルサミコかポートワインでの甘みのある味付け。

いや~これは、嬉しい不意打ち。思わず感嘆の声を上げてしまう。
しかも量が多いし。


ぼちぼち、お腹もくちくなってきたから、
待望の鴨蕎麦行って見ようか。


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《鴨汁そば 麺大盛り》

太い葱がたっぷり、脂のたっぷり乗った鴨肉もたっぷり、
多めの汁の中に浮かんでいる。

蕎麦は勿論、新蕎麦。目の前から香りがぷんと立つ。
唇が切れちゃうんじゃないかと思うほどエッジの立った切り口は
しゃきんと〆られ、するるっと口の中に吸い込まれる。

麺の端をほんのちょっぴり浸し、一気に手繰り込めば、
ああ素晴らしい喉越しと薫り。

当然、鴨肉も上々の味。

いや~、蕎麦が全然足りません。
お代わり下さい。

当然のようにするっと平らげ、
お酒もたっぷり頂いてのお代は1.5万円。

例によって通常平均の倍だけど、
これだけの量の呑み喰い、
そして鴨の美味しさを考慮すれば、
金額は問題にならない。

注)好みはヒト夫々ですが、
《鴨南蛮》の方が鴨肉の満足度は高いと思います。
勿論、金額も相応に高いですが・・・・。


我々が入る前からの客も
まだ呑み続けているし、
それ以外にも続々の来店で、テーブルの空く間が無い。

成る程、納得できる旨さ。
西洋のジビエも良いけど、日本人の冬は
やっぱりこれだな。

評価はちょっと高級な「蕎麦屋」基準の☆五点満点で
☆☆☆☆。