封切り三日目。
席数244の【CINE 6】の入りは七割程度。
市内の古びた劇場で
折りしも新作劇〔毛皮のヴィーナス〕のオーディションが行われている。
折りしも新作劇〔毛皮のヴィーナス〕のオーディションが行われている。
『ワンダ』は何としても審査をしてくれと頼み込み、
その強引さに負けた『トマ』は自分が相手役となり、
実際の舞台を模して演技を始める。
その強引さに負けた『トマ』は自分が相手役となり、
実際の舞台を模して演技を始める。
しかし、シーンが進行するに連れ、次第に
どこまでが脚本の科白で、どこからが地の会話なのかも判然としなくなり、
彼等共々観客の側も虚構の縁に落ちて行く。
どこまでが脚本の科白で、どこからが地の会話なのかも判然としなくなり、
彼等共々観客の側も虚構の縁に落ちて行く。
中途までは素晴らしいと思った。
主と客、虚と実が自在に入れ替わる二人芝居。
演じる側の混乱がそのまま観る側にも伝わり、
こちらも著しく戸惑ってしまう。
主と客、虚と実が自在に入れ替わる二人芝居。
演じる側の混乱がそのまま観る側にも伝わり、
こちらも著しく戸惑ってしまう。
しかし、その後が・・・・。
『フランソワ・トリュフォー』の分身が
『アントワーヌ・ドワネル(ジャン=ピエール・レオ)』であるなら
本作の主人公は
『ロマン・ポランスキー』の分身と言って良いかもしれない。
要は、小柄な優男であり、ラストに向かうに連れ、
その過去からのスタンスを厳しく断罪されることも含めて。
『アントワーヌ・ドワネル(ジャン=ピエール・レオ)』であるなら
本作の主人公は
『ロマン・ポランスキー』の分身と言って良いかもしれない。
要は、小柄な優男であり、ラストに向かうに連れ、
その過去からのスタンスを厳しく断罪されることも含めて。
評価は☆五点満点で☆☆☆★。
演技上とはいえ、その科白を自分に投げつけて貰いたかったのだろうと。
そうすれば、作品とまるっきり同じ二重構造が、完成するんだから。
そうすれば、作品とまるっきり同じ二重構造が、完成するんだから。