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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

マダム・マロリーと魔法のスパイス@チネチッタ川崎 2014年11月23日(日)

封切り四週目。
席数107の【CINE1】の入りは満員の盛況。


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映画を観るに際しては
あまり事前情報を求める方ではない。

なので本編が始まってから、あらあらこんな作品だったんだと
驚くことがままある。

本作についても、「ディズニー」の配給であることを知ったのは
開演の数分前なのだが、これでもう大方の予想はついてしまう。

そう、登場人物にはホントの悪人は存在しないのだ。


選挙結果についての諍いに巻き込まれ、
本国を離れたインド人の家族がオランダ経由で南仏に流れ着く。

最初は縁の深い国、イギリスに住んだのだが、
彼の国で採れる野菜は土や太陽の味がしない。
一日の内に四季があると称される土地では
むべなるかな、だが、一家が新たに構えた店「メゾン・ムンバイ」の立地にも問題が。

道路を挟んで斜向かいには「ミシュラン」で☆一つを取るグランメゾン
『マダム・マロリー(ヘレン・ミレン)』が経営する「ル・ソール・プリョルール」が
既に在ったのだから。


原題の〔The Hundred-Foot Journey〕はここから来ている。

当然の様に両者は敵対し、それは市長をも巻き込んだ諍いにも発展する。
そしてある事件が起こる。


欧州各国で昔からある移民の問題が、
重要なラインとなっている。

愛国と表裏をなす訳だが、
地域の活性化とか、新たな才能の萌芽を考えた時には
一概に否定できるものではない。

勿論、本作では明快な回答を出しているわけではないけれど、
ヒト同士の和解が、最終的に解決に繋がるだろうとの
かなり楽観的な描写にはなっている。

当然そうでなけれな、これだけハートウォーミングな
ストーリーは成立しないわけで・・・・。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。


美味しいモノ好きとしては、
ミシュラン」の☆を巡る騒動を
かなり面白く見た。
今でも本国では、そんなに権威があるんだ。

もう一つは「エル・ブリ」を思わせるレストランの描写。
映画〔エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン〕でも描かれていたが、
ここまで来るとホントに料理と言えるのか。

当然それは、もう一人の主人公である
『ハッサン(マニシュ・ダヤル)』が感じた疑問でもあるはずだ。