フリの客を拒絶するようでもあるし、初めての客は着くのに
迷ってしまうだろう。
迷ってしまうだろう。
店内は複数人が入れる個室が三部屋と
四人が掛けられるカウンター。
四人が掛けられるカウンター。
が、カウンターと言っても、目の前には壁が広がるばかりで、
料理は離れた場所に在る厨房から、しずしずと運ばれて来る。
料理は離れた場所に在る厨房から、しずしずと運ばれて来る。
前日に予約の電話を入れ、あっさりと通ったので
空いているんだろうかと思っていたら、
うち二つの小部屋は接待と思われる複数人連れが20時近くに
相次いで訪れ、成る程、そ~ゆ~使われ方なのね。
空いているんだろうかと思っていたら、
うち二つの小部屋は接待と思われる複数人連れが20時近くに
相次いで訪れ、成る程、そ~ゆ~使われ方なのね。
電話予約の際に、9,000円・12,000円・15,000円の
コースからの選択を確認されるが、初めてのことでもあるので
一番安い料金としておく。
コースからの選択を確認されるが、初めてのことでもあるので
一番安い料金としておく。
が、結果的には、それでも相当に満足度が高かった。
先ずはビール(《ヱビス》 700円)を呑みながら暫し待つ。
と、何か液体の入ったグラスと
氷がぎっしりと詰まった枡が運ばれ、
中から瓶入りのラムネが出される。
氷がぎっしりと詰まった枡が運ばれ、
中から瓶入りのラムネが出される。
ラムネをプシュと開け、グラスの中に注ぎ入れる。
《食前酒》ジンのラムネ割り。
共にキンキンに冷やされているので、
僅かにシャーベット状になっている。
僅かにシャーベット状になっている。
ラムネの下手な甘みと、ジンのピン張った辛さが
口の中で一体になる。
口の中で一体になる。
そしてお運びの人が言うことには、
「今日のお料理のテーマは、夏祭りです」
?。ど~ゆ~ことだろ。
確かにラムネは、夏祭りの定番ではあるが・・・・。
「今日のお料理のテーマは、夏祭りです」
?。ど~ゆ~ことだろ。
確かにラムネは、夏祭りの定番ではあるが・・・・。
《すりながし》
雲丹が豪勢に盛られている。
今が旬の濃厚な味わい。
今が旬の濃厚な味わい。
すられている魚はヒメチ。四国方面の呼び名のようだ。
芽葱・オクラ・紫蘇が添えられ、中には硬く炊かれた米も入っている。
何れもさっぱりとし、食前酒共々胃が活性化し食欲が増す。
芽葱・オクラ・紫蘇が添えられ、中には硬く炊かれた米も入っている。
何れもさっぱりとし、食前酒共々胃が活性化し食欲が増す。
《焚き合わせ》
蛸・オクラ・パプリカ・茄子。
蛸は柚子胡椒で和えられ、軟らかく煮上がっているが
鮮烈な辛味が舌の上を駆け抜ける。
鮮烈な辛味が舌の上を駆け抜ける。
茄子は出汁をたっぷり含み、しかし薄味なので、
季節の旨味も十分に味わえる。
季節の旨味も十分に味わえる。
《素麺》
ジュンサイ・伊勢海老・昆布・アオサ。
この出汁もかなり薄め。しかし、歳を取って来ると
これくらいが丁度良いかも。
これくらいが丁度良いかも。
とろみがついた陸と海の素材を使い、
しかし喧嘩せずに上手く纏まっている。
しかし喧嘩せずに上手く纏まっている。
素麺は軽く結わえられ、見目も良く食べ易い。
勿論、茹でむらなく、しっかりとコシのある口当たり。
勿論、茹でむらなく、しっかりとコシのある口当たり。
出汁には氷も添えられ、よく冷えた一品。
《お造り》
キジハタ・ワラサ・鯵・鰹・牡蠣。
何をおいても、鰹が素晴らしい。
脂の乗りはさほどでもないが、藁で炙られ
薫香と併せてすっきりと頂ける。
脂の乗りはさほどでもないが、藁で炙られ
薫香と併せてすっきりと頂ける。
《煮物》
とろみのある出汁自体は、やはり薄味。
獅子唐からは仄かな苦味と辛味。
舌触りの良いすり身が、口の中ではらはらとほどけて行く。
《鯛の塩釜》
塊りのまま運ばれ、目の前で木槌で割るパフォーマンスつき。
鯛自体は桂剥きの大根で覆われ、塩分が沁み過ぎぬよう調整されている。
それにしても、この身の厚みはどうだろう。
部位はカマ下の脂が乗っている腹部。
折敷に盛られただけで透明な脂がゆるゆると流れ出す。
ほふほふしながら口に入れれば、
ふっくらほっこり。塩梅も丁度良し。
ふっくらほっこり。塩梅も丁度良し。
これは美味しい。
次に出されたのはこちら、花火があしらわれ、
確かに夏祭りらしい意匠だ。
確かに夏祭りらしい意匠だ。
ポイの上には、赤・黒の金魚が泳ぐ。
金魚の下の茶巾は、ち鯛と鶏レバー。
何れも素材の味を生かす薄味で纏まっている。
何れも素材の味を生かす薄味で纏まっている。
トマトはカプレーゼ様。こんな供し方は珍しい。
鬼灯からは玉蜀黍が転がり出す。
しかし、芯は餅。コーンが表面に巻かれ嬉しい細工だ。
しかし、芯は餅。コーンが表面に巻かれ嬉しい細工だ。
手まり寿司も白身が厚く纏い、食べでがある。
まさに夏祭り!!!
食事は、おにぎりの茶漬けとお漬物。
タレが塗られた表面はカリッと焼き上がり
芳ばしい薫り。
芳ばしい薫り。
やはり薄味の出汁が張られている。
土瓶蒸しの応用な感じだが、
おにぎりを崩してさらさらとかき込めば、
立派に茶漬けに変容する。
おにぎりを崩してさらさらとかき込めば、
立派に茶漬けに変容する。
《利休餅》
デザートの一品目。
てっきり葛餅かと思ったら違うと言う。
てっきり葛餅かと思ったら違うと言う。
素材は胡麻。
《かき氷》
デザートの二品目。
これこそ季節の一品。
その供され方を一見し、思わず笑ってしまった。
だって容器は、屋台で見かけるチープな紙製のそれ。
だって容器は、屋台で見かけるチープな紙製のそれ。
しかし、中は豪勢。メロンはたっぷり。
西瓜のシャーベット。
更に氷の一部はメロン製と、どこまでも手が込んでいる。
西瓜のシャーベット。
更に氷の一部はメロン製と、どこまでも手が込んでいる。
デザートまで計十品。
十分に夏を堪能できた。
御代は〆て2.7万円。
評価は、高級店基準の☆五点満点で
☆☆☆☆。
☆☆☆☆。
目に楽しく、食べれば舌が喜ぶ。
嬉しい料理の数々。
嬉しい料理の数々。
自分的にはまだまだ、食べられる感じだったが、
連れは「お腹がいっぱいになった」と言っていた。
連れは「お腹がいっぱいになった」と言っていた。
コースの価格差は素材の差とのことで、
品数に違いは無さそう。
品数に違いは無さそう。
しかし、この値段で、この内容。
席の回転も低そうだし、おそらくは系列の『本濱』と
厨房を共通にし、そちらはカジュアル、こちらは高級の位置付け、
材料を融通しながら無駄を省きコスパを上げているのだろうと思われる。
席の回転も低そうだし、おそらくは系列の『本濱』と
厨房を共通にし、そちらはカジュアル、こちらは高級の位置付け、
材料を融通しながら無駄を省きコスパを上げているのだろうと思われる。
ちなみに、コースは一ヶ月毎に変わる由。
これは楽しみな店を見つけたかも。
これは楽しみな店を見つけたかも。